■□NOVEL□■

□扉を開けて
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扉を開けて




今日はお師匠はんの『同僚』のお人らが夕げを作ってくれはる言うて、お家に来はった。



「何ぞお手伝いする事はありますやろか?」

「……大丈夫だ。もう少し待っていてくれるか。」

「へぇ。」



ずっと、ガタガタ言うてるし、お手伝いくらいやったら、昔旦那はんに料理教えて貰ぅたさかい出来ますのに…。



「………。」

「気になるのか?」

「…へぇ。」



ずっとリビングに居った筈やのに、いつの間に部屋ん中入らはったんやろぅ?



「心配しなくとも、食える程度の物は出来る筈だ。」

「……。」

「『部屋の中で大人しく待っていろ!』だそうだ。」

「了解どす。」



お師匠はんはリビングに戻っていかはった。



「大人しゅう…。」



時々物音や騒ぎ声がしはる。



━━ほんまに大丈夫やろか?━━



皿の割れる音、何かに当たったらしく痛みを訴える声、…此れは油ん音やろか?



「お母はんが料理しとるみたいやゎ。」



旦那はんはその様子を『嵐』て、わての名前と同じやて言うてはったなぁ……


グゥ


そんな事考えていたら、腹の虫が鳴いた。そういえば、朝から何も食べていない気がする。以前は空腹でいるのも当たり前だと思っていたが、自分も単純だとおもった。



「ぽんぽ空きましたなぁ。」



美味しそうな匂いがしだした。そろそろ完成するのだろう。



「お利口さんに待っておかな。」






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