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□砂時計 5話
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彼は凛としているような勇猛さを振り撒き、つついたら崩れ落ちて仕舞いそうな危うさを纏っている。
初めてそう感じたのはいつの事じゃったかのぅ?
砂時計 5 - 1
「アラシヤマ!」
特に用がある訳じゃないんじゃけどの、見付けたからには声を掛けてしまう。もう、癖に近いかもしれんのぅ…
「あら、コージはんやないの。」
「ヌシは任務帰りか?」
「そうどすけど…」
「ほいじゃったら、ワシん所の打ち上げに混ざって行かんか?」
「コージはん所の?」
「そうじゃ。ワシん所の部署で飲み明かすんじゃが…」
「折角やけど、わてが行っても迷惑やし。」
「そんな事ないぞ?ヌシはワシん所の部下に慕われちょるしのぉ。」
「せやけど…」
「おぉ!良かったらヌシん所の者も呼んだらいぃけぇ。そんならええじゃろう?」
用事があった訳じゃないんじゃが…
振り向いたアラシヤマが少しばかり沈んどる気がして、
気がついたら誘っちょった。
「あの子らも?」
「ヌシん所には散々世話になっとるけんのぉ、礼代わりじゃ。」
アラシヤマだけ誘っても、きっと何かしら理由を付けて断るじゃろうから、保険を掛ける。そうすれば意外に部下に甘いアラシヤマの事じゃけぇ…
「多分喜びますぇ。」
「何じゃヌシは喜ばんのか?」
「そないな訳あらしまへん。わても嬉しゅうおす。」
思った通りに意見が変わった。やっぱりアラシヤマは部下に甘いのぅ。
「そんならええんじゃ。」
「ほな後であん子らにも声掛けて行きますな。」
「おう。早めに来るんじゃぞ?出ないと物が無くなるけぇの。」
「…了解どす。」
彼奴は何でも抱え込んでしまうけぇ、少しばかりでも気晴らしになるとえぇんじゃがのぅ…。
to be continue...
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2011/06/16〜 2011/07/06 迄web拍手にて公開してますた( ̄∇+ ̄)