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□砂時計 3話
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「何だ…?」
いつもはお菓子やらケーキやらで甘ったるい匂いが充満してる研究室から可笑しな臭いに満ちていた……。
砂時計 3 - 1
「グンマ?」
部屋の灯りが小さい非常灯だけになっている。デスクの上には毒々しい色の薬品。
「…頼むから、高松みたいな事しねぇでくれねぇかな……。」
グンマは出掛ける時、必ず電気を消していく。つまりは此の部屋に居る筈なのに見当たらない……。
「暗過ぎるのがいけねぇんだよな?」
カチッ
灯りを点けると…俺の半身が這いつくばって、此方を見ている。しかも、ご丁寧に暗視ゴーグルまで装備して……
「なんだ、シンタローか。」
「俺で悪かったな。それよりそんなトコに這いつくばって何してんだ?」
「鼠を捜している。」
は?鼠ってのは確かに暗がりに居るのがセオリーだけどよ、其処までして捜す必要ねぇだろうが!
「…何やら誤解がありそうなので言っておくが、俺が捜しているのはモルモットの献体NO.γ-03であってそこいらに自生している鼠ではない。いいか、そこいらに自生している鼠ではなく献体NO.γ-03を…」
「だー!まどろっこしい説明まで二度言うな!!大体、モルモットなんか何で逃がしてんだよ?」
「逃がした訳ではない、気が付いたら居なかったんだ。」
「居なかった?」
「あぁ、そうだ。」
そんなバカな事ねぇだろ…。鍵でも開けっぱで放置したんじゃねぇの?
「グンマに言われて初めて気付いた。此の部屋と隣の準備室以外には行かないようにしてあるのだが見当たらなくてな。よければお前も一緒に捜してくれないか?」
グンマも捜してんだろうし、話はその後でいいかな…
「しょうがねぇから手伝ってやるよ。」
「すまない。」
捜すにしても鼠か…小せぇ癖にどれも同じ気がする……。
「そのモルモットはどんな鼠なんだ?特徴とか、見分け方とかあんのか?」
「γ-03は、体長8センチくらいで…」
「…他には?」
「……。」
いきなり黙りコクっちゃって……。
「…キンタロー?」
「……分からない。」
「は?」
「γ-03がどんな鼠だったのか分からない…。」
to be continue...
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2010/12/24 〜 2011/01/09 迄web拍手にて公開しとりました(≧▽≦)ゞ