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□砂時計 2話
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「…未だ復旧の目処は立っとりまへん。以上が415国の経過報告どす。」
「ん、了解。…ミヤギの奴は?」
「…ミヤギはんやったら『腹減ったから後は任すべ』言うて走って行かはったゎ。」
「ったく、アイツは…」
砂時計 2 - 1
「腹減ったって…一応は隊長なんだから報告くらい来いっつーの。」
「きっと、食堂とは反対に行きましたさかい、忍者はんに会いに行ったんでっしゃろ。」
「反対?」
「へぇ。総帥室を通り越して忍者はんの部屋の方に行きましたぇ?」
「総帥室の前まで来たのかよ!」
意味わかんねぇ。報告に来る気がねぇなら、部屋の前なんざ通らなくてもいいだろ?
「何で報告に来ない癖に部屋の前通るんだかな…?」
俺が聞いてんのに何無視こいてんのかと思ったら…コイツ理由知ってやがんな。
「おい!何でミヤギは報告には来ない癖にこの部屋の前通ったんだよ?」
「さぁ…わ、わてには……」
「目ぇ泳いでんぞ。」
「な゙っ!?」
「勿論、教えてくれるよな?シ・ン・ユ・ウ♪」
コイツは真面目な時は別だけど、しょうもない嘘吐く時とか疚しい事がある時とかには必ず目が泳ぐ癖がある。それに確り目を合わせて詰め寄ると恐る恐る後退りする。
自分からは寄って来る癖に寄られんのは苦手とか、ホント面倒くせぇ奴。
「ゔっ…ミヤギはんは…わてん事、送ってくれたんどす。」
「…ハァ?ミヤギがお前の事送ったって?」
「へぇ、そうどす。任務中かて、えらい気ぃ使うて貰うて…。あないに気に掛けて貰いますと、逆に落ち着かれへんのどす。」
…例の薬のせいか。アラシヤマの言い分からすると、コイツが移動する時でも目ぇ離さなかったみたいだな。
「ちゃんと俺ん所に送るまで見送るとはな……。」
「意外に細かいトコまで気ぃ回せるみたいどすな。…深く考えんのと回す方向がちゃうのが残念なんやけど…。」
感心するトコじゃねぇだろ!しかも、方向が違ったら意味ねぇし…
「何より…周りにずっと人が居る言うんがいたたまれへんわぁ。」
「それにしたって、そろそろ慣れてきたんじゃねぇの?」
「それは、まぁ。もう三月経ちますさかい。」
「…ふぅん、消えねぇな。」
「そうどすなぁ。」
「もっとこうさ、パッと消えるとか出来ねぇの?」
「そんなん出来る訳あらしまへんやないの!そないな事言わんとしゃんと仕事しなはれ!!他に話が無いんやったらわては自分の部署さ戻らして貰いますぇ!」
流石に悪ふざけが過ぎたか…このままだとこの書類を押し付けるどころか、余計に仕事増やされそうだ。
「アラシヤマ、待てって!」
「書類やったら手伝いまへんぇ!」
「ゔっ…。」
「ほな、失礼しますぇ。」
……撃沈。相変わらず察しがいいと言うかなんと言うか。
to be continue...
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