■□捧げ物□■


□lie or truth
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「行かなくてはならないと決まっているのに、何を考えている?」

「もう一つ面倒な事があんだよ。」

「面倒な事…アラシヤマを呼んだのはその為か?」

「…不本意ながらな。」

「面倒て?」

「ドレスコード。」

「そんなん、当たり前どっしゃろ?礼服位我慢しなはれ。」



俺だって正式な式典だって事くれぇ分かってんだっての。問題は其所じゃなくて…



「お前、女物の服なんか持ってるか?」

「は?」

「だから女物のドレスコード。」

「シンタロー、自分が何を言ってるか分かっているのか!?」

「どないして、わてが女装せなあきまへんのどすか!?」

「うるせぇ!同伴が出席条件なんだよ!!」

「同伴なのだから別に女装しなくても…」

「残念ながら、『未婚者は婚約者でも可』ってご丁寧にある訳。」

「そら、其処まで書かれて一人で行くんは体裁が悪おすな…。」



寧ろ悪意の塊にしか感じないが、他国が呼ばれている以上体裁は悪くする訳にはいかない。



「…そんなに不本意なら、手頃な女性なり別の奴を呼ぶなりしたらどうだ?」

「そうやね…。不本意な相手連れんでも、誰かさんの事やし、外に彼女の一人二人居るんと違う?」

「てめぇ、喧嘩売ってんのかよ?」

「嫌どすなぁ〜、わては高ぅつきますぇ?」



『不本意』ってのがそんなに不満か?ヘラヘラ顔の裏に機嫌の悪さが覗いてんぞ!



「…分かったっての、お前を連れて行きたいんです。これで文句ねぇだろ?」

「…!!まぁ、仕事やさかい、しゃあないなぁ///」



この野郎…人が下手に出てやったってのに、もっと嬉しそうな顔しやがれ!





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