■□NOVEL□■

□Sweet Sweet
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アラシヤマは手間を掛けると公言した通り、甘ったるい匂いをさせる釜を抱え込んでいた。



「自分で炊けるの?」

「この方が微妙な調節が利きますさかい美味しゅう炊けますぇ。」



確かに火力が決めてとか聞いた気がするけど、自力で飯が炊けるとか便利だな。あの島で知ってりゃ楽だったのに…



「火加減とかでそんなに変わるの?」

「それ、ミヤギはんの前で言わん方がえぇよ。」

「何で?」

「ミヤギはんは地雷踏んだが最後、長いし放してくれまへんぇ…。」



…地雷踏んだ上で散々聞かされた訳か。



「まぁ、踏んでしもうたからには開き直って話聞いてまえば、合うてるかどうかは別として楽しゅうなってきますぇ。」

「アラシヤマって変なトコ前向きだよね?悪い意味じゃなくてさ。」
「喧しおす!」



カラカラと笑うアラシヤマと談笑を交えるグンマ。アラシヤマが手を離せない間、食べるのも休止したようだ。



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