リク小説

□団子よりも甘いもの
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「黒刀いる?」


部屋の外から千紫郎の声が聞こえる。


「ああ。」


「入るよ?」


ガチャっと扉を開け、千紫郎が入ってくる。


「さっき夕月君に草団子もらったんだけど、黒刀食べるよね?」


ニコリと笑いながら聞いてくる。
僕は和菓子が好きだ。
でも今は食べる気にならない。


「いい。
千紫郎食べろ。」


「えっ!?
黒刀どうしたの?
具合でも悪いのかい?」


ただ食べたくないと言っただけなのに肩を掴みしつこく聞いてくる。


「ん、
千紫郎、肩痛い。」


「あ、
ごめんね


心配そうな顔で覗き込んでくる。


「でも大丈夫?
どっか具合悪いんじゃ・・・。」


「どこも悪くないッ!!」


僕は千紫郎が伸ばしかけていた手を振り払った。


「黒刀、
なんか今日変だよ?」


怪訝そうな顔で聞いてくる。
僕の中で何かが切れた。


「ッッ!!!
僕はどこも変じゃない!!
お前の方が変だろ?
女に囲まれて笑顔ふりまいて・・・ッ!!」


僕は自分を止められなくなっていた。


「黒刀・・・?」


「うるさいッ!!
あいつらの名前を呼んだその口で僕の名前を呼ぶなッ!!」


「黒刀・・・ッ!!」


ふいに身体が温かいものに包まれる。


「離せよ・・・//」


「黒刀、
嫉妬してくれたんだ。」


「そんなんじゃない・・・///」


千紫郎にギュッと抱きしめられ、段々と落ち着いてくる。


「俺嬉しいなぁ(ニコッ」


「だから違うと言って・・・ッ!?」


柔らかいものが唇に押し当てられる。






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