けいおん
□気まぐれかもしれない
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「律…。」
「ん?」
「なんか最近、おかしくないか?」
「そーか?」
しっかり見つめてくる澪に、態度には示さないが引きそうになる。
「別になんもないよ。」
にっこりと笑って安心させるつもりが、余計に険しい顔をする。
「なになに、澪しゃん。そんな険しい顔して。」
「茶化すなよ。」
澪の表情が崩れることはなかった。
「なんかさ、今の律を見ていたら、2年の桜高祭前を思い出すんだ。」
澪が俯きだして、私も笑えなくなってきた。
「私の勘違いかもしれないけど、なんかさ、寂しそうで何か隠してる気がするんだ。だから、その…」
澪にこんな表情をしてほしくない。
「な、澪。ある日、女の子は1人の女の子にあったんだ。」
「律?」
私の突然の話に澪は訳が分からない、という顔をしている。
「ま、聞けって。で、女の子に無いものをその女の子が持っていてすごく惹かれて、友達になったんだ。」
昔の記憶を思い出しながら話す。
ま、説明が下手だけど、澪は黙って聞いてくれる。
「その子には、友達がたくさんいた。楽しそうに他の友達と話すにその子に女の子はどう接していいのか、何を話せばいいのかわからなかった。」
澪の眉が下がっていたのを横目に、私は話を続けた。