けいおん
□二人の距離
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「澪ちゃん大丈夫?」
「えっ!あ、うん。」
ボーっとしていた私を唯が心配そうに見てくる。
いつも通り、放課後のティータイムを楽しんでいたのだが、違和感がある。
ムギが右隣なのはしっくりくる。
梓も…。
でも、唯が前なのはなんか違う感じがする。
「な、ちょっと、唯と律、席替わってくれないか?」
「えっ!澪ちゃん、私が前だとイヤなの?」
「違うって、ちょっと気になる事があって…。」
目に涙を溜める唯に必死に訴えると、今度は「いいよ」とさっさと替わってしまった。
「たく。それなら、みんなで席替えすればいいのにさ。」
律は動かされることに不服みたいだ。
「で、動いたけど、なにか変わったか?」
目の前で、めんどくさそうな顔をする律がすごくその場にあっていた。
さっきまでの違和感が全くない。
懐かしくて、心があったかくなる感じがする。