けいおん
□ドキドキが止まらない
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珍しく、休みの日にも関わらずに、軽音部で集まる事はなかった。
なので、歌詞を考えていた。
「休憩するか。」
グッと伸びをして、ベッドに目をやる。
「全く、こいつは何をしに来たんだか…。」
ベッドを陣取っている先客を見る。
机から離れ、ベッドに腰を下ろす。
「だらしない顔してんな。」
口をだらしなく開けて寝てる姿は、本当に高校生か疑いたくなる。
「律。」
律の寝息しか聞こえていない静かな部屋。
「寝てるよな?」
寝息を返事と捉え、話を続ける。
「な、律。私は、律の事好きだよ。」
伝わってほしい。
でも、伝わらないでほしい。
「いつからかわからないけど、律と一緒にいたら、ドキドキするんだ。」
もしかしたら、ハラハラかもしれないけどな。
お前は、いつも新しいところに連れて行ってくれる。
「お前がいなかったら、私はどうしてたんだろうな。」
律が声をかけて、引っ張ってくれてなきゃ、今こんな場所にいなかったし、こんな気持ちも知らなかった。