エゴイストの心臓

□いつつ
1ページ/1ページ





「あ、」





太腿に液体が伝う感覚。

下腹部には違和感。

一面の草と土の匂いに交じるその。


ワンピースの裾をめくれば、
私みたいな小娘に不似合いなほどの赤色が。



「…ああ、」


(子供の時間は終わってしまったのね。
 男の子の中に混ざって、泥だらけになって走り回る時間はもうおしまいなのね。)



…じわり、白を染める。

…ぽたり、緑に浮かぶ。






赤。


「…夕ごはんはお赤飯。」
(そんなに好きではないけれど)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ