羊 夢 物 語

□病院で。
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デュエロ後、ルチア宮にて。

詩織の自殺を止め、抱き合ったまま泣いていた2人。


その後、落ち着きを取り戻した詩織を忍に預け、メイが理人の元へ戻ってきた。



「メイ様、腕を。」



理人はそう言ってメイの腕を取ると、
詩織のハサミによって傷ついた部分に自分のハンカチを押し当てる。



「痛みますか?」

「ううん、大丈夫。」



答えたメイの笑顔にほっとする。

そして、次の瞬間、自分の身体から力が抜けるのを感じた。



「えっ・・・ちょっと!」



メイが慌てて理人を支える。

黙り込んでいたその場にいる全員が理人の怪我を思い出し、一気にざわめく。



「申し訳ありません、メイ様・・・。」



そう言って体制を立て直そうとする理人だが、身体に力が入らない。



「早く病院へ行きなさい。」



そこへ、ローズの声が響いた。



「学園長・・・。」

「ヘリは用意してあります。お急ぎください。」



メイは桜庭の言葉に頷くと、理人を支えて歩き出そうとした。

しかし、メイ1人では理人の身体を支えきれず、よろけてしまう。

咄嗟に剣人が反対側で理人を支えた。



「豆柴・・・。」

「早くしねぇと・・・行くぞっ!」



メイと剣人は一緒にヘリコプターに乗り込み、病院へと向かった。
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