The hand ties.
□第四章 *前編*
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車に揺られて、数時間程。時間は、五時程。
車の窓から見えるのは、森ばかりだ。
「闇雲さん・・・」
「あと少しだ、焦るな釘芒」
そう言われ、僕は黙った。
闇雲さんが言っていたように、場所へは一分程で着いた。
「ここからは、歩いて行け」
そう言われて、僕たちは車から下りる。
「此処から、歩けって?」
「ああ、そうだが」
無理がある、無理だろ!
「ど、どうやって?!」
そう言われて、闇雲さんは、人差し指で狼・白夜を指差した。
「犬、いるだろ」
「犬じゃ無いです!」
結弥さんが言った。白夜も吠えた。
「どんな!」「建物なの?!」
なおきとゆうきは、喧嘩になる前に、聞いた。
「ああ、スマン。メモに書かれているのは、・・・研究所見たいな古びた建物。だとさ」
双子は「「ふーん」」と言った。
「じゃあ!」「見てくる!」
と言って、森の中へ走って行った。
「あ!なおちゃん!ゆうくん!!」
結弥さんが呼び止める前に、二人は森の中へ消えていった。
「平気だろ、あの双子は」
闇雲さんは、平気な顔で言った。
☆
「ねぇねぇ、なおき」「なあに?ゆうき?」
双子は、最も高い木の頂点に立ち、森を見回した。
「見えないねぇ」「そうだねぇ」
なおきとゆうきは、目を細めて言った。
「「あ!見っけた!!」」
そう言って、二人は顔を見合わせてニヤリと笑った。そして、木から飛び下りた。
☆