Dream

□ヒマな日はこんな感じ 続く
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「もう、お昼休みの時間に入ってるから、昼ご飯食べようか。今日は島が作って来てくれたんだろ?」
『はい、すごく簡単なものばっかりなんですけど…。』
「いや、こんな仕事してるのに、作ってくるだけですごいよ。しかも俺の分まで…。悪いな、ありがとう。」
『いえ、今日みたいなのんびりした日しかしてあげられないので…。』
私は何だか照れてしまって、モゴモゴいいながらお弁当を広げた。

「うーん、うまいな。」
『本当ですか?嬉しいです。』
二人でおにぎりを食べつつ、番茶をすする。
ああ、幸せ。
「ごちそうさま。美味しかったよ。」
『お粗末さまでした。』


桂木さんと私はいつもこんな感じ。もうお気づきでしょうが、とても落ち着いた雰囲気というか、先輩達からは「又夫婦漫才して」もしくは「父親と娘」という風に見られている。
桂木さんはそう言われる度、苦笑するだけで反論しない。
「10才以上離れてるから、そうみられてもしょうがない。」そう私にポツリと呟く。
最初は私もそうなのかなと思っていたけど、最近どうも原因は私の方にある様な気がしてきている。

私は身長が170cm近くあり、ショートカット(髪は茶色がかっている)。
一応出るとこは出て、引っこむとこはそれなりに引っこんでると思うけど、スタイル抜群て訳じゃないしいつもパンツスーツを着てるので、体の線は目立たない。
化粧も、薄く口紅を塗るだけなので、ほぼスッピン。
香水もつけたりつけなかったり。…つまり色気がない。から、桂木さんの彼女にみえない。オッサンの園であるSP軍団に違和感なく溶け込んでいる自信もある。
だから桂木さんに「付き合って欲しい。」と言われた時、ビックリして飲んでいたお茶を正面にいた桂木さんにぶっかけてしまった。
桂木さんは大爆笑して、私を、さも愛しいと言わんばかりに抱きしめ…そこで私の大絶叫第一号が炸裂したんだっけ…。
と、色気もクソもない回想をしている私に。
 

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