無題
□第九話 「未完成な私と完璧な貴方」
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ー見知らぬ白い部屋――――――――――――
「今日はジンさんの日だわ・・・!」
髪の長い美しい女性が部屋の中で着替えている。
部屋の中でも構わず帽子をかぶり長いスカートをひらりと舞わせている。
「楽しみ楽しみ、外に出るのはちょうど一年ぶりね、うふふ、うふふ」
長い色素を失った髪は何とも言えぬ美しさを持っている。
体は細く細すぎる。
「・・・ジンさんはどんな女の子が好きなんだろう・・ねえ、教えて・・私貴方のためならなんだってしてあげるわ何だってしてあげられるのよ貴方がないとダメなの・・・・・」
美女は自分の体を強く抱きしめる。
「私は貴方が大事なの大切なの、何があっても守るわそばにいるわ助けるわ愛するわ・・ねえだから・・・」
そこにはない何かを見つめてつぶやく。
「・・幸せになって・・愛してるから」
美女はただ笑った。
静かに
――――――生徒会室――――――――
「これ、俺らふざけてるの?」
スイはアイに向って苦笑い。
それもそうだ。
今スイたちはおかしい格好をしている。
「・・まあふざけるために作った衣装だしねえ・・似合ってる似合ってる」
「・・・寒い、これ」
「・・動きづらいです」
スイやギンやエム、アイまでも何世代も前の衣装を着ている
スイはどこかの兵士のような。
アイはどこかの執事のような。
エムはどこかの貴族のような。
ギンはどこかのご令嬢のような。
今からどこに行くのか非常に気になる服装だ。
「・・・みんなこんな格好していくの?ほんとに?」
スイは数十分前にあった出来事を思い出す。
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