無題
□第九話 「未完成な私と完璧な貴方」
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「おい、アイちゃんまじか。マジで今日十四日なのか」
ジンはあわててるのかどうなのかよく分からないおちついた様子で言う。
「うん、だから、ほら、早く行った方がいいんじゃない?」
アイはたのしそうにジンを見て言う。
「・・悪い、ここにいいる人たち。自己紹介とかしたいんだが・・・・俺用事があるんだ。悪い、ちょっと行ってくるんで・・・・」
そういいながらジンはギンをちらっと横目で見て生徒会室を出た。
アイは心配そうに少しうろうろする。
「・・ったくあの男・・・しっかり者の男気あふれるやつなのにかなりずれてて天然で・・・ああくっそ、心配だ」
アイは頭をかいて呻く。
「・・何が何やら俺さっぱりなんだけど、アイ」
スイはい急に起きた出来事についていけない。
ジンはいったいどこに行ったのか。
「ギン・・おいで」
「え、あ・・はい」
エムは座りつくしているギンをソファーに手招きして座らせる。
「大丈夫?」
「っ・・はい」
エムはギンの涙を拭いて優しい声を出す。
ギンは真っ赤になる。
「・・・ジン君ね、歌いに行ったの。みんなの前で」
アイはかなり意味深に笑い窓から外の様子をうかがう。
アイたちがいるのは三階の生徒会室。
外の様子はグラウンド方面がよく見える。
「・・・ほら、皆ジン君の事を探してる・・」
アイがスイのほうを見て窓の外を指さす。
スイはソファーを立ち上がり窓の外を見る。
すると
「・・・すっげ・・・」
そこには全校生徒の半分がグラウンドでジンの事を探していた。
百人は下らない。
遠目でもわかるほど大きな声で叫び探している
「・・・ジンさんって・・何者」
スイがそんなことをつぶやいたときグラウンドにジンが黒い服を着て現れた。
生徒たちはジンに駆け寄っている。
「・・・ふふ・・この日は特別ジン君が主役になる日だよ・・・・」
アイはうれしそうに言った。
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