日和短編

□恋愛初心者
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「好きでおまっ!」


と、曽良に気持ちを伝えてから何ヶ月たっただろうか。
あれからキスどころか恋人らしい事の一つも出来ていない。
まぁ、彼も彼で、江戸時代での生活があるためにここ(飛鳥時代)に来れることもあまりないのだけれど。


そんなある日のこと......



「よし!今日こそ曽良とキスするでおま!!!」

・・・と決意したその日から一週間。

太子はゆるゆるの法隆寺に曽良を呼び出すことに成功した。
・・・成功、したのだが・・・


「・・・で、なんの用ですか?太子さん」
「だからだな・・・曽良・・・その・・・」
「・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・っっ」

太子は早速、最大の難関に陥っていた。
息が詰まって言葉が出てこない。
しばらく目を泳がせていると、彼はあきらめた様にため息を一つついてそっぽを向いてしまった。
危ない。これではその内帰ってしまう・・・!

「・・・・・っ・・しょらっ!」

・・・噛んだ・・・完璧に。
でも、もう止まらなかった。
太子は、おもむろに振り返った曽良にキスをした。

「・・・・んっ・・・」

・・・さすがに深くは出来なく、重ねるだけのキスだったが、それでも私にとっては決死の挑戦だった。
そっと唇を離すと、曽良は珍しく目を見開いて硬直した後、急に火がついた様に顔を赤くした。
そのままふいっと顔を背けると、緊張しているのか、少し震えた声で口を開いた。

「あ・・・あなた、急に何するんですか・・・っ!」
「えっと・・・キス?」
「それくらい分かりますっ!」

いつになく焦った様な曽良の声。
火照った頬を晒すのが嫌なのか、両手で顔を覆ってしまった。
・・・可愛い。

太子は優しく曽良の両手を退けると、熱くなった額にもう一度口付けをおとした。
そしてぎゅっと抱きしめて、一言こう添える。

「曽良が好きだから・・・キスした」
「―――――――――ッ!!」

言った。全部言ってしまった。
今更ながら恥ずかしくなり、誤魔化すように曽良の身体をきつめに抱いた。

「・・・・痛いですよ・・・っ」

曽良は軽い悪態をつきながら太子を抱きしめ返した。



――――――――――――――――――――――――

え・・・文みじかっ!!

とりあえずタイムスリップできますww
あの・・・歪を通る感じの・・・


なんか、魁瑠は痛い子になってしまいました。

知人の「しょら」に萌え滾ったので
思わず文にしてしまったその帰結。

お互いに初心者な感じの恋愛も萌えるねww

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