日和短編
□夜中のSweetTime
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まだ春は遠い。
雪のちらついた夜の事だった。
テストが近いために、閻魔と曽良は二人で勉強をする事に決めた。
場所は曽良の家。
だらだらとテスト対策を始めて1時間。
時計が午後10時を指した頃、おもむろに曽良が口を開いた。
「疲れた……。閻魔さん、コーヒー飲みますか?」
「あー……うん。お願い」
俺が言うと、曽良は立ち上がって背伸びをする。
ぷ…はぁ、と、少し抜けた声を出して彼は問いかけた。
「コーヒー、何いれますか?砂糖とか…塩とか」
「塩って………んー、ブラックがいいから、何もいれなくていいや」
「わかりました」
それから数分して、コーヒーの入っているであろうマグカップを二つ持った曽良が戻ってきた。
……いや、それだけではなかった。
片方の手には、マグカップとコーヒー用ミルクが1つ、それと、5本ものスティックシュガーが握られていた。
「ちょ……そ、曽良?俺砂糖いらないって言ったよね?」
「ええ。ちゃんと聞きましたけど」
「その砂糖……曽良の…?」
「もちろん」
…奇怪なり。
俺が絶句している間にも、彼は悠然と元の位置に座って、何でもないようにマグカップに砂糖を入れ始めた。
一本、二本、三本……。
「入れすぎだよ!」とやっと喉から声が出たときには、既に砂糖はコーヒーと呼べるのかも定かでなくなった飲み物の中に、すべて消え失せていた。
ミルクも入れてかき混ぜると、ザリ、ザリと砂糖の溶けきっていない音が聞こえる。
「曽良、曽良!なんですかその飲み物は!」
「え、コーヒーですが。何か?」
「いや、そんなキョトンとした顔されてもね!?甘いでしょ、もはやコーヒーじゃないでしょ!」
「僕、甘党なんで」
「……いや、それにしてもさ……!」
話がかみ合うにかみ合わない。
少し気を落ち着けようと、曽良が淹れてくれたコーヒーを一口飲む。
よかった……これは普通のブラックだ…。
ふと見ると、彼はあからさまに顔をしかめてこちらを見ていた。
「よくそんなニガイ物が飲めますね。ニガ党」
「ニガ党って…!そんなんないから!てか、己のマイナーさを知ろうよ君!」
そこまで言うと、曽良は不機嫌そうにふい、と顔を背けた。
不貞腐れたような表情に若干愛しさを覚えながら、俺は自分のコーヒーを差し出した。
「…ちょっと。河合曽良君。これを飲んでみなさいな」
「嫌ですよ。苦いのは嫌いです」
「平気平気。一口でいいからさ」
言うと曽良は、渋々マグカップを受け取って口をつける。
ほんの少しカップを傾けると、「ん゛っ」と額にしわを寄せてすぐ口を離した。
慌てて砂糖入りのカップに手を伸ばすが、俺は曽良が取る前にそれをすっと取り上げる。
「ちょ…何するんですか…っ!早く…返して…っ」
「ちょっと待って…うぅぅ…甘っ!」
自分の口に含んだコーヒーは、もはやコーヒーではない、ホット砂糖水だった。
一瞬躊躇ってからそれを飲み込んで、涙目で俺を睨む曽良の元に擦り寄り、肩を抱いた。
「曽良……?」
「な、なにす……んっ」
反発するように身じろぐ彼の動きを止めるように口をふさぐ。
緩んだ隙間から舌を差し込むと、じわ。コーヒーの苦い味がした。
曽良も甘味を求めたのか、おずおずと舌を絡ませる。
「ん………ん、ふ…」
「…っ…は……曽良……」
何度か曽良の名前を呼ぶと、彼はそれに答えるように身を硬くした。
しばらくしてからそっと唇を離す。
つ、と引いた糸と曽良を交互に見ながら俺はにっと笑った。
「甘くなった?」
「……黙りなさい……っ」
「………続き、しようか…?」
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ぴぴー。イエローカード!
というわけでここでプッチンします。
その後は貴女様の妄想力にお任せいたします!(´∀`;
は・・・始めてサイトでディープなぞ書いてしまいました。
文才なくてすみませぬ…(汗
もっとボキャブラリーを増やそうと思います。頑張ります!
あと、タイトルがめっさ気持ち悪い感じですいませんでした…(笑)
思いつかなかったんです(´A`*