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□天邪鬼
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廊下を歩いていると反対側から何かが駆け寄ってくる。
…見なくとも分かる、よく通る、青年の声にしては若干高い心地よいあの声色。
愛しい恋人、ディーノだ。

「恭弥ーーーっ!!」

思わず振り返ってそのまま抱きしめてしまいたい、が、ここは廊下。
周りにはちらほら生徒が見える。
自分に対する、恐怖と好奇心の混じったいくつもの視線が、自分と、
向こうからどたどたと駆け寄るディーノに向けられているのがはっきりと分かる。
この草食動物たちに自分たちの関係を見せ付けてもよかったのだが、心のどこかでプライドが許さず、
そのまま知らないふりをし、応接室へと足を進めた。



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