NOVEL--小説【振】
□それでも俺たちは罪を重ねる【利準】
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罪を重ねるとは、なんと愚かなことなのか。
「準さんのその顔、すっごくキレイだよォ・・・。」
「るっ・・・、せ!・・・、あっ、ああぁっ!!」
けれど俺たちは、また今日も罪を重ねる。
『それでも俺たちは罪を重ねる』
「準さん、ダイジョウブ?」
「・・・ああ。」
俺を抱く時、利央は必ずロザリオを外す。邪魔だってこともあるだろうけど、恐らく本当の理由は・・・。
「罪の意識を感じてるのか?」
別に隣で寝ている利央に尋ねるつもりはなかった。だけどいつの間にか思っていたことを口に出していたらしい。
「え、何がァ?」
「マヌケな声出すな、アホ。」
天井を見つめていた利央は顔だけこっちを向ける。
「マヌケな声ってなんだよォ。それにアホって言わないでよ!」
「アホにアホって言って何が悪い。」
「ヒドォ!・・・で、罪の意識ってなァに?」
「アレ。」
俺は机の上に置いてあるロザリオに目線を移す。
「アレ、・・・ってロザリオォ?」
「ああ。・・・ヤる時、アレ絶対外すだろ、お前。」
「だってェ・・・、邪魔になるじゃんか。」
おいおい、仮にもいつも首にぶら提げてる神様を邪魔呼ばわりか?
「それだけか?服着たままでもアレだけは絶対外すだろ、お前。」
桐青は確かにキリスト系の学校だけど、敬虔なクリスチャンはそう多くはない。
その証拠にクリスマス間近になると「彼女と夜を過ごしたい。」と慌てる奴も多い。
「う゛。それはァ・・。」
けれど利央は違う。
首から十字架を提げているのもそうだし、クリスマスは絶対家族で過ごす。
そんな利央が、キリスト教では同性愛が禁じられていることを知らないハズがない。
「罪の意識を感じているからこそ、ソレを外すんだろ?それならなんで・・・、罪だと分かっていながら罪を犯し続けるんだ?」
「っ・・・!俺とするのがもう嫌なの!?」
「んなコト言ってねぇよ。ただ・・・、どうしてかなって思って。」
俺は天井を仰ぎながら思考を巡らせる。
罪と分かっていながら罪を重ねるなんて傍から見ればとても愚かなんじゃないだろうか。
敬虔なクリスチャンである利央、お前ならそれを余計に感じただろう。それなのになぜお前は俺を抱いた?
衝動に駆られて?若さゆえの過ち?───そうじゃないと信じるなら、どうして?
「利お───」
いつまでも黙ったままの利央をいぶかしんで利央の表情を伺おうとすると、いきなり利央に口を塞がれた。
「んっ・・・。」
最初は軽かったキスがだんだん深いものになっていく。
「ん・・・っ、ふ、・・・んんっ・!」
酸欠状態が続いて頭がぼーっとして来たところで、利央はようやく俺の唇を解放した。
「利央、お前いきなり・・・!」
「好き、だからに決まってんじゃん!準さんのバカァ・・・!!!」
利央は泣きそうな顔をして一生懸命訴える。
その姿があまりにも愛しくて。
「悪かったよ、利央。何となく思っただけだから、な。あんまり気にすんなって。」
俺は利央の頭をぽんぽんと叩いてやる。
「う〜・・・。」
コイツが、あまりにも愛しすぎるから不安になる。コイツは俺のことをどれだけ愛してくれているのかって。
「あ、・・・そうか。」
「?・・・準さん?」
俺はただ知りたかっただけかもしれない。コイツが俺のことをどれだけ愛してくれているのかを。
だから試したんだ、コイツを。・・・全く俺は。
「なんでもねぇよ。・・・・・・俺も好きだよ、利央。」
罪と知りながらも、俺たちはまた罪を重ねる。
それは傍から見たらとても愚かなことなんだろうけれど、それでも周りなんて──そう、神さえも──どうでもよくなるくらい、相手を愛してしまっているから。愛しすぎてしまっているから。
俺たちを止められるものはもう、何もない。
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書いちゃいました!書いちゃいましたよ、初の利準です!!
(初がこれか
まだR指定物を書くのがあまり慣れてないので、「わー!」とか「きゃー!」(夜中だったので)小声で叫び、のた打ち回りながら打ちました(笑)
読むのは、鬼畜物でも割りと普通に読めるレベルにはなったんですが(それはそれでどうなの
あ、でもいい作品だと顔が綻んだり、心の中でわーきゃー言っちゃうのは仕方ないですよね?(それはそれで怪しいから
ところでこれってR16?くらいでしょうか。どうも直接的な表現を書くのが苦手なので;
いやでも実際R16とR18とR20の違いが分かりません。あれって、かなり個人の裁量によりますね?
個人的にはあまり直接的な表現を書かずにヤってるのがR16で、直接的な表現が詳細に書かれているのがR18で、玩具とか使いまくってなんかヤバいのがR20とか思ってるんですがどうでしょう?(なんかヤバいってなんて抽象的な
しかし利準だとどうもヘタレ攻め×誘い受けっぽくなるのはなんででしょう。
もっとガンガン攻めようぜ、利央・・・!(笑)
まあヘタレ攻め×誘い受けも好きなのでいいか。
ちなみに阿榛だと榛名をアタフタさせたくなります。ガンガン隆也が攻めます、はい。
これは私がドSイジメが好きだからでしょうがw
(普段俺様な人やドSな人は妙にイジめたくなる。←お前も大概Sだな!
ちなみに榛阿榛、利準は私の中でおお振り二大BLカプなので、いつかWデートとかさせたいなー・・・って接点ねぇよ!個人的に阿部と利央が互いに相談しあったりすると面白い思います(笑)
それで今回の小説ですが、準さんが準さんじゃないような・・・。
準さんの口調や性格ってかなり迷うんですけど。それはまだ私がちゃんと掴めてないから?
最初は利央視点にしようかと思ったんですが、なぜか準さん視点に(笑)
そして今回のネタは、利準書きさんが一度はやるであろう、定番のキリストネタです。
(ネタに使ってごめんなさい、神様・・・!)
ちなみに本文中に書かれていることはかなりうろ覚えです;;
だってキリスト教は同性愛禁止、って利準小説読んで初めて知りましたから。まあ、キリスト教に限らないような気もしなくもないけど他の宗教はどうなんでしょうね?
てか、私、一応幼稚園はキリスト教だったんですよ。これが。
確か食事の前にはお祈りがあったような気が・・・。それと幼いイエス様を抱くマリア様の像が園内にありました。
今度はある程度ちゃんと調べてから書きたいなあ。
利央のロザリオは、付けたまま派と外す派、どっちかに分かれますよねー。ご覧の通り私は外す派ですが、付けたまま派でも別にいいです(笑)(どっち
しかしおお振り小説書く時は意識的にカタカナ多用して、漢字をあまり多用しないようにしてるんですが(原作に合わせて)、どれほどカタカナを使っていいものかいつも迷います(笑)
・・・て言うか、私っていつもあとがき長いよね。
だっていろいろと語りたいんですよー!
20070827 K.A