一人語り部屋

□寿の病気事情
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 そんな日々だったので、私はいつでも寝不足状態。
 そりゃぁ体力は無くなり血圧は下がる一方、眩暈・貧血は当たり前です。

 ある日、ひどい耳鳴りに襲われるようになり、まぁさすがに寝ないと死んじゃうよって警告だろうな、と思ってそういう時だけガッと寝る。
 そうすると二、三日のうちには耳鳴りが治まって、体調も回復するので、ああやっぱりそうだったのねーぐらいにしか思っていませんでした。
 体調が回復すれば、また朝寝て朝起きる生活を再開するという、なんとも自己管理能力ゼロな感じの生活をしていたわけです。

 で、そうこうしてるうちにどうにも萌えの捌け口が欲しくてたまらなくなってしまいまして。
 平成22年04月26日にサイト始動、本格的にミツナルの世界にどっぷりハマり込んだ、その矢先でした。

 サイト開設から一週間後くらいのゴールデンウィーク中、休日出勤当たり前な会社でしたから、私は当然の如く出勤したんですが。
 とにかく朝から耳鳴りがひどくて、立っていられないほどの眩暈に襲われました。
 それでもなんとか仕事をこなし、帰宅したその日はもう何もできずそのまま布団へダイビング。
 きっとひどく疲れたんだ、と思い、きちんと眠れば翌日は大丈夫だろう、なんて暢気に考えていたわけです。

 ところがどっこい、次の日はもっとひどい。
 寝てるだけなのに天井がぐるぐる回っている。
 世界が回っているのか、自分が回っているのかもわからない。

 立ち上がれなくて一人でトイレに行くこともできず、両親に担いでいってもらったり。
 そしてまた耳鳴りが本当にひどいんです。
 「耳鳴り」と聞くと、一般の方は高音の「キーン」という音を想像されるかと思いますが、私の耳鳴りはもんのっすごい低音で「ゴォオオオ」っていってる。
 まるで、台風の影響で増水した川の近くにいるような、もしくは暴風が吹き荒れてるような感じです。

 そんな音が、大音量で寝ても覚めても響いてるわけですよ。
 食事しても、会話しても、本を読んでても、何につけても集中なんてできませんし、何より周囲の音が聞こえない。
 当然、ミツナル小説すら手につかない。

 ああ、これは異常かもしれない……とようやく思い(遅ぇ!)、近くにある総合病院の耳鼻科にふらふらしつつ行ってみました。


 で。

 聴力検査、歩行検査、目の動きなどなどを見てもらい。
 診断結果が「メニエールって知っていますか?」という一言。

「め……?? なんです、それ」
「うーんとね、三半規管が正常に機能しなくなる病気ですね。主な症状としては貴方のように耳鳴りによる突発性低音難聴、強烈な眩暈、それに伴う吐き気など、です。原因は過度のストレスと過労。治療方法としてはまずは薬を出しますからそれを服用してみて、その飲み薬でも難聴が治らない場合は入院してステロイド剤の点滴投与」
「……は、え…私、メニエールっていうその、病気なんですか?」
「ええそうです」

 しれっと告知。
 医者って……まぁ、そんなもんですよね。

「あのぉ、で、それっていつ治りますか?」
「えー……これは繰り返す病気だから。ま、焦らず長期的に考えていきましょう、ね。とにかくストレス溜めないことです。仕事はとりあえず休んで、自分はこれが一番ストレスだなって感じるものから、なるべく遠ざかって」

 ……完璧に治りますって言えないのね。
 そういう病気なのね。

「耳も今は、聞こえ辛いから過剰反応するようになってるんで、イヤホンとか大音量で音楽聴いたりとか、そういうことは絶対にしないでね……最悪、聞こえなくなることもある病気だから、いや、あくまでも最悪の場合だからね」


 おをう、マジでか。

 完璧に聞こえないとか、もう寿の人生って結構今までも波乱万丈、聞くも涙語るも涙な感じなのに、ここに来て更に語れる不幸話キター!!
 あまりにもあまりな晴天の霹靂、呆気に取られる私を尻目にどんどん話は進み。

「とにかく一週間、この薬を飲み続けて。大丈夫、新薬で効き目があるって評判だからね。仕事はとにかく休んで。一週間後に再検査して、その回復度合いを見て治療法を探しましょう、それじゃぁ来週!」

 ぽんぽんと早口で言われ、有無を言わさず看護婦さんから「はいお大事に。次の方どうぞー」と追い払われ。
 気がつけば病院のロビーでとにかく会社に電話しちょりました。
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