短編倉庫

□君と秋の攻防戦
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 読書の秋だと言うけれど。
 それにしたって、君は本の虫になりすぎだと思うんだ。


 そりゃぁさ。
 君は言葉に責任と正義と、それをひっくるめて相手を完膚なきまでに叩きのめすための武装を、課さなくちゃいけない職業にあるってわかってるよ。
 頭脳と舌戦の阿鼻叫喚。
 その戦地の最前線で君が自分を貫く為には、絶対に欠かせない時間だっていうことも、僕こそが充分すぎるほど理解している。


 けどさ、……けどさぁ。


 僕と過ごす貴重な休日。
 しかも新都市計画で新しく駅前にできた大きなデパート施設の休憩所。
 人々が忙しなく通り過ぎていく踊り場のベンチの端っこで。


 僕の存在すら忘れるほどその世界に没頭すること、ないと思わない?







君と秋の攻防戦
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