時系列物語

□境界線
1ページ/7ページ


 手を伸ばして触れる位置に、君が居るということ。
 名を呼べばこちらを向いて、真っ直ぐに見つめてくれるということ。


 これ以上の奇跡はないと思うのに。


 人間は貪欲なもので、僕は自分自身の欲深さに困惑する。
 これ以上を望んでしまうのは、罰当たりな気がするのに。
 それでも止められないのだから途方に暮れるしかない。


 君が君自身の言葉で、親友と呼んでくれたこと。
 泣きそうになるくらい嬉しかったのに。




 どうしてこんなに苦しいんだろう。







境界線
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ