時系列物語
□さよなら、僕の
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君は、どこにも居ない。
暗闇を抱えて苦悩し続けた君が、僕にその苦しみも悲しみも吐露することはついぞなく。
信じていると声をかけた、この想いが届くこともなく。
結局はたった独りで、存在の消滅を選んだその事実に、僕は言葉も失った。
君を、救おうと思い、救えたと思ったこと自体が。
傲慢な証でしかなかったのかな。
いずれにしても、君は。
もう、どこにも居ない。
僕が追い求め、深く暗い絶望の淵から、この手で救い上げたかった、君は。
さよなら、僕の
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