時系列物語
□果ての懇願
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君を、苦しみから解放したかった。
そして僕は、君の無罪を勝ち取ったあの時、それができたと思った。
僕が、あの学級裁判で救われたように。
今度は僕が、君を救うことができたのだと。
だけどそれは、僕の勝手な思い込み、独りよがりでしかなかった。
そう、他の誰でもない君から、思い知らされた。
御剣が失踪した、と、糸鋸さんから聞いた時。
君の残したたった一言を、目にしたあの時。
愕然とし、呆然とし、それから。
僕はしばらく、何も考えられなくなった。
現実感がなくて、慌てることも、悲しむことも、居なくなってしまった友人の心配をすることも、できなかった。
果ての懇願