時系列物語

□夢は夢
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 矢張が飲んだくれて、現在の想い人の名を叫ぶのは、いつものこと。

 じゃあ、その隣で眉間に皺を刻んで、日本酒をちびちび飲んでる、御剣の姿はどうだろう。

 僕が、十五年近くも思い描いてきた光景が、いまこうして目の前にある。
 三人で、特別な話があって集まったわけじゃなく。
 共通の趣味があるわけでもなく。

 ただの幼馴染同士として、友人として酒を飲み交わす、こんな日を。

 僕は、ずっと願ってきた。そうありたいと、望んできた、はずなのに。


 ……どうして僕は今、こんなにも苛立ってるんだろう。







夢は夢
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