血と愛
□12:闇深く
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*12:闇深く*
長い、永い、夢を見ていた。
切なくて、愛しくて、哀しい、夢。
それは、『僕』という意識を超えた、根源の魂とも呼ぶべきものの、記憶であり、想いだった。
願いであり、祈りだった。
途方もない罪深さに身動きもとれず、どれほど自分自身への嫌悪感に苛まれ、悲嘆に暮れただろう。
申し訳なくて、苦しくて。
君はそれすら、受け入れてしまうと知っていたから。
なんて酷い。
なんて卑怯。
なんて自分勝手な願いだろう。
だけど、だけどそれでも。
御剣……君に。
逢いたかった。