鬼灯
□出会い
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私が久遠ちゃんとはぐれて最初にあった人。
第一印象。白い人。絶対根暗。
久遠ちゃんも白いし最初は突然変異かとも思ったけどそれにしちゃ変形し過ぎだ。
第一いきなり去れと言う辺り久遠ちゃんじゃない。
失礼極まりないよこの人。下に何か見えるけどあれだよね、お友達が酔って倒れたとかそういうオチだよね。赤いのを吐いちゃったんだよね、うん。
「あの、マネキン工場に行く予定を思い出したので失礼します」
「出目……金?」
「素晴らしいボケをありがとう。それでは」
とりあえずさようなら白い人。
貴方の名前を知らぬまま私は立ち去ります。
さあ久遠ちゃんはどこだ。止めろ私は勇者じゃないんだ。
サマルトリアの王子を探してあちこち彷徨うローレシアの王子じゃないんだよバッキャロー。
今度は前から赤と金の二人組が来た。
細かい事は気にしない。してたら女が廃る。
「すみません人っぽいのを探してるんですが知りませんよね失礼しました」
「待て待て待て!!」
声を掛けた瞬間何か危険な匂いがしたからすぐに回れ右。女の勘を舐めるんじゃないよ。
金の人から制止の声が聞こえたけど気にしない。
手厳しいツッコミが聞こえたけど気にしてはいけない。
気に、しなかったのに。
これから私が彼らと深く関わる事になるなんて思わなかった。