綱獄

□コスチュームプレイ、略してコスプレ
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「ん・・・」
「起きましたか?十代目」

目を覚ますと、獄寺が顔を除きこんでいた。
ニッコリと笑うのがかわいい。
その頭の上に揺れるレースをあしらったヘッドドレスと、ソコから覗く黒くて三角の耳・・・耳!?

「え!?」

がば、と身体を起こして振り向くと、まさに夢にまで見た光景が。
白と黒のコントラストがまぶしいメイド服。
短いスカートから伸びる足、絶対領域と呼ばれている。
黒い尻尾がゆらゆらと揺れ、頭の耳がピコピコ動く。

「ご、獄寺く・・!!」

思わず飛びついて欲望に忠実になろうとしたとき、目の前にマグカップが差し出された。
上がる湯気は季節にはあまり合っていないが、おいしそうな香りがする。

「ホットココアです。落ち着きますよ」

カップを受け取ってその声の方へ向くと、またまた今度は赤いドレス。
それもスリットが深く切り込んだチャイナドレス。
首元はきっちりと止められていて肌も見えないのに、むき出しの白い肩や二の腕、太ももが逆にエロい。

「あ、あれ?獄寺君が二人・・・」

はっと気付いて回りを見渡せば、二人どころではなくたくさんの獄寺がいた。
しかも全員が全員、いつもとは違ったマニアックな格好をしている。
なんだここは?天国?

「妖精がいる、何ここ、サンクチュアリ?」

鼻の下を伸ばして膝枕をしてもらってデレデレとする。
情けない顔をしていて、彼の師が見たら即座に銃を取り出しそうだ。

「俺今なら死んでもいいよぉ〜・・・」

視界が光に飲み込まれていく。




「ごくれらくーん・・・」

蒸し暑さが多少抜けた部屋のベッドに寝かされた綱吉はよだれをたらしていた。
当の獄寺はといえば、一回の冷房の効いた部屋でフロートを食べているが。

「起きろダメツナ」

ハンモックから飛び降り、丁度腹部に着地。
弛んだ頬を往復で叩き続ける。

「いっいてぇ!?何すんだよリボーン!?」

連続攻撃に眠気が飛んだ綱吉が慌てて起き上がる。
が。

「おいエロツナ、おめぇ妄想ばっかしてたが夏休み課題は終わったんだろうな?」
「ギクッ」
「課題も終わってねぇのに獄寺呼んで何するつもりだったんだコラ」
「し、宿題だよ宿題・・・それに俺が呼んだわけじゃ」
「言い訳なんぞ聞くか。今日中に課題全部終わらせねぇとペナルティとして一ヶ月接触禁止だ」

今まで暑かった体が一気に冷える。
ちらりと学生カバンを見れば、あふれんばかりの課題の山。

「むちゃくちゃだろそんなの!」
「あたりめーだ。デレデレしたおめぇの顔を見たくねぇんだよ、イラつくからな」
「横暴だ・・・!」

その後、獄寺がこっそり覗きにくると、カキ氷を食べながらライフルを構えるリボーンと、机に向かう綱吉がいたとさ。


終わり
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