綱獄

□おいしそう
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掴まれた肩を引き寄せられて、そのまま抱き上げられた。
小さな悲鳴を上げて、浮き上がった身体に慌てて綱吉の首に抱きつく。
獄寺よりもずっと小さな身体の綱吉が獄寺を持ち上げただけでも驚きなのに、そのままゆっくりと歩いてベッドに寝かされる。

「あ、じゅ、じゅう、だいめ・・・」

同じように獄寺の上に乗り上げた綱吉が薄く微笑んで頬を上気させている様子にドキリと胸が高鳴る。
リップ音を立てて頬に口付けが降り、そのまま首筋へ滑る。

「ひ!?」

がし、と力強くベルトをつかまれて、勢いよくズボンを引き下ろされる。
下着ごと下ろされて、下半身が冷気に包まれた。
ニヤリと似つかわしくない笑みを浮かべた綱吉が、獄寺の少し反応したそれをそっと握った。
引きつった苦笑いを浮かべながら綱吉の胸板に両手を置く。

「か、課題、課題しないと」
「うん、そうだね」

反論するために開いた口に、生ぬるい舌が滑り込む。
深く口付けられて、思わず小さな吐息と一緒に声がこぼれる。
その間に、綱吉の手の中にあるモノの尿道に親指の爪が食い込む。

「んぁっ・・・はっ」

ベッドに肘を突き、白いシーツを握り締めてその手から逃れようと腰を浮かせた。
立ち上がったモノを握り、上下に扱き上げる。
その快楽にビクリと痙攣し、更に手と足を突っ張った。
だがすぐに肩を押さえつけられてまた深く口付けられる。

「ん・・んっ、ふ」
「じゃぁ、これは俺からの問題」

口が離れて、唾液が糸を引く。
赤くぬれた唇がぺろりと舐められて、ちゅ、と短く触れた。
問題、という言葉に反応して涙で潤む目を上げる。

「とってもおいしそうな獄寺君の精液は前はとても苦かったです」
「んなっ!?」

薄く開いていた瞳を見開いて、綱吉を見上げる。
にっこりと笑って、獄寺のシャツを強くたくし上げ、その手で白い胸をなぞった。

「すごく甘そうなのに精液はすごく苦くて、俺すごくがっかりしたんだ」
「・・・すごくって三回言いましたよ」

その反論を黙らせるために手の中の獄寺のモノを強く握った。
高めの声を上げて背中が弓なりに反る。
それを詫びるように優しく敏感なソコが撫でられた。

「それでね、俺噂を聞いたんだ」

胸の赤い飾りを熱い舌が撫で、暖かい口内に包まれた。
先走りでぬれた手を水音を立てながら動かし続ける。
嬌声を上げながら身体をくねらせると、綱吉は口を離して、身体を浮かせた。
そのまま顔を下へ下げていく。

「じゅう、だいめ?」

ちゅ、と自身の先に柔らかい感触を感じ、すぐに熱い場所へ迎え入れられる。
声を上げて思わず綱吉の茶色い髪を掴む。

「あひっ・・あ、だめっ、きたなっ・・!」
「んー・・・」

じゅぷじゅぷと音を立てながら吸い上げ、逃げようとする腰を掴んで引き寄せる。
綱吉の口元が透明な液体で汚れる様に罪悪感と優越感の混ざった不思議な感覚に引き込まれた。
過ぎる快楽に頭がびりびりと痺れて、両手で自分の頭を抑えた。

「やっ、だ、だめっです!・・い、いくっ」

じゅるる、と強く吸い上げられて、綱吉の頭を太ももが強く挟む。
びくびくと痙攣し、綱吉の口の中に精液を吐き出してしまった。
そして、それを飲み込む音が聞こえて、達したばかりの獄寺の頭が冷える。

「じゅ、十代目!は、吐き出してくださっ!」
「だいじょーぶ。おいしかったよ」

嘘だ!さっき苦いって言ってた!
獄寺はすぐに机の上に置かれたジュースに目をやるが、こんな状態で炭酸なんて水に油だ。
どうしようもなくて唸りながら涙を浮かべると、綱吉が獄寺に口付ける。
絡められる舌は生臭いが、苦いというわけでもなかった。

「噂っていうのはね、肉とか、魚とかを食べると精液が苦くなるんだって」
「・・・は?」
「野菜とかを食べるとおいしくなるんだって」

最近、獄寺にやたらと野菜を勧めた綱吉の姿を思い出す。
じゃぁ、急に獄寺の食生活を変えるように進言した理由は。

「苦いよりおいしいほうがいいよね。俺のためにこれからも野菜をいっぱい食べてね」
「は・・はぁ・・・」

すごく笑顔でそう言った綱吉に苦笑いで返す。
そしてその笑顔のまま、また獄寺の身体を倒して、自分のベルトも緩め始める。
その様子に、今日は課題どころか、奈々の用意してくれた食事を食べることも出来なさそうだと、もうすぐ十二時だと伝える時計を見上げながら考えた。

「俺のもおいしくなったか確認してね、獄寺君」
「・・・はい・・っ」

いそいそと後ろに指で慣らし始める綱吉に、半泣きになりながらそう答えた。
だって仕方ないじゃないか。
なんだかんだ言って、獄寺も綱吉が好きなんだから。


終わり
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