REBORN!

□七夕初代
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ジョットは今危機に陥っていた。
しかもただの危機ではない、相当の危機である。
百年と続くボンゴレの歴史上、未だ最強と呼ばれ、あらゆる修羅場も乗り越えてきた。
だが、状況判断に長けたジョットでも、さすがにこれは判断しかねたのだ。

「じ、G、どうしたんだ?お前らしくもない」

自分の肩にもたれかかる幼馴染に声をかける。
酔っているのかとも思ったが、どうやらそういうわけではないらしい。

「・・・いやか?」

上目遣いで見上げるGに鼓動が高鳴る。
ジョットの腕に自分の腕を巻きつけて、上気した頬で擦り寄る。
緊張で汗ばむ手のひらにGの指が絡みついた。

「その、今まで俺、お前にキツいことしか言わなかっただろ?」
「自覚はあったんだな・・・」

重なる手を握り返すと更に力がこもった。

「だから、たまには・・素直になってみるのもいいんじゃねぇかなって」

恥ずかしそうに目線を逸らすGは犯罪級にかわいい。
たとえ憎らしいことしか言わなくてもGはかわいいのだが。
もじもじとするGは今まで一緒にいて一度も見たことがない。
なんだこれは色々とヤバい下半身が熱くていうかいたたたたたたたたたた。

「ちょ、G!いたっ、手!」
「あ、わ、悪い・・・」

Gは拳銃を使うだけあって腕力こそそこまで強くはないものの、握力は異常に強い。
以前どのくらい強いのか聞いたら目の前でリンゴを握りつぶされて酷く焦ったのはいい思い出だ。
たまにアイアンクローで頭蓋骨がつぶされそうになる。

「いや、構わない・・・」

離しそうになった手を握り締めた。
今度は力を込めずにそっと手を握り返される。

「・・・お前はいつもそうだよな」

目を伏せ、薄く微笑みを浮かべながらもたれかかる。
なんのことかと問いただす前にGは顔を上げた。

「俺がどんなにお前に理不尽な傷を負わせてもお前は俺を責めたりしない」
「G・・・」
「お前のそういうとこ、けっこう好き、だぜ」

少し恥ずかしそうに微笑む姿に愛しさが増す。
Gにどんな扱いを受けようとも、結局惚れた弱みで何も出来ないのだ。
どんなことでも許してしまう。

「だから俺は少しお前に甘えてるのかもな・・・」

拳銃や弓を扱う手は少し硬い。
だが肉弾戦を得意とするジョットに比べればずっと華奢に感じる。
生前、Gの背中を見ることが多かった。
その度に守りたいと思ってきたのだ。
結局、志半ばで二人は別れたのだけれど。

「G、俺は・・・」

伏せた瞳を横に向けると、Gの赤い瞳がまっすぐこちらを向いていた。
何度その輝きに心を奪われたか分からない。
ドクンドクンと鼓動が響き渡っているような気がする。
Gの鼓動は聞こえないが、自分の鼓動は聞こえているのではないかと疑ってしまう。
見詰め合ったまま徐々に互いの顔が近づいていく。

ドクン、ドクン、ドクン

お互いの熱と呼吸が感じられる。
百年の月日を経て、死んでしまって二度と触れ合えないと思っていた。
もう少し、もう少しで・・・。

「・・・っ、〜〜〜〜〜〜っっ//////」

握り合った手がまたギシギシと軋み出す。
痛いぞG、痛い。

「だっ、だめだ!!」

Gの慌てた声と共に手が離れ、思いっきり突き飛ばされた。
急に風が通りだした手が寂しいのと突き飛ばされたのとで目を瞬かせる。
Gを見上げると真っ赤な顔で息を荒げている。

「・・・G、まだ何もしていない」

せっかくいい感じだったのに。
口惜しいというか、不完全燃焼というか。

「うるせぇ!どれだけ恥ずかしかったと思ってんだ!」

立ち上がって拳を握る。
ジョットも立ち上がり、Gの肩を掴む。
逃げないように引き寄せる。

「続き」
「なっ、ばっ、・・!!」

また顔を赤くして後ろに下がろうとするのを腰を抱いて引き寄せる。
その勢いでそのまま口付けた。
口内に侵入する舌に目を見開いて、肩を押し返そうと手を添える。
だが、久々の感覚が心地よくて、ただ手を添えただけになってしまう。

「ん・・んむっ、んぁ」
「はぁ」

口を離すと、銀色の糸が引く。
縋るような表情にジョットは唇を舐めた。
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