REBORN!
□可愛い孫
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休みの日のまどろみ。
珍しく課題もなく、のんびりとゲームの中でハントに精を出す。
太陽の光が暖かくて、ベッドの横になりながらのハントは実に気分がいい。
そしてそのハントの音しか響かない部屋の空気をぶち破る赤ん坊が一人・・・。
「聞け、ツナ」
大きな音を立てて扉を開いたリボーンは、いきなり右手に愛用の拳銃を持っている。
今度は何をする気だ、と体を起こす。
「以前から薄々俺は超天才なんじゃねぇかと思ってきた」
聞く気が失せた。
「聞けっつってんだろボケ」
腹にボディブローを決められ、ゲームと内臓の破壊音が聞こえた。
腹を抑えながらベッドに額をこすりつける俺になど全く目もくれず、というより知ったことかとばかりに話を進める。
「超超天才の俺はこの度新弾の発明に成功した」
何故超を一つ増やしたのか聞こうと思ったが、まだ命が惜しいので黙っておこう。
ジャジャーンという効果音と共に取り出した弾は、水色になんの装飾もされていない弾だ。
そして何故リボーンがここに来たのかはすでに分かっている。
超直感?そんなものなくても分かるよ。
だってリボーンがこんないい笑顔で来るときは大抵・・・。
「名誉なことにお前はこの新弾の最初の被弾者だ」
ガチャン、と弾をリボーン愛用の銃に装填する。
そして銃口が向けられ、俺は慌てて立ち上がる。
「ちょっと待てよ、大体それどういう効力なわけ?」
俺の知っている特殊弾は、死ぬ気弾、嘆き弾、憑依弾。
だが、リボーン作ということはどうせ碌なものではない。
重量感漂うソレはまっすぐに俺を射抜いていて、思わず後退る。
「さぁな、試してみねぇとわかんねぇ」
「なんだよそれ!?」
完全な無責任発言に、俺はじりじりと壁伝いに扉を目指す。
何をじらしているのかは知らないが、リボーンは意外とこういう戯れが好きだ。
「それじゃまるっきり俺実験体じゃん」
「まぁそういう言い方もあるな」
リボーンの指が動く。
引き金がゆっくりと動き、リボーンの笑みが深くなる。
ああもう、諦め癖の付いている俺はここから盛り返そうなんて全く思わないようだ。
「Addio」
ああああ、額を打ち抜かれた。
どうせ死ぬなら、獄寺君の膝で死にたかった。