REBORN!

□目撃
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輝く金髪を光らせながら、残り少なくなった書類に区切りをつける。
ぐい、と背筋を伸ばし、背もたれにもたれかかった。

「少し休むか・・・」

コーヒーでも淹れようかと考えていたとき、扉がゆっくりと開かれた。
ジョットがそちらを見ると、そこには俯いたGが立っている。
ギクリと肩を揺らし、慌ててペンを手に取る。

「ち、違うぞ、ちょっと休憩していただけで、決してサボっていたわけでは・・・」

黙って近づいてくるGに冷や汗を流しながら書類を一枚取り出す。
机をはさんでただ立ちすくむのを不信に思い、顔を見上げる。
Gは机を迂回してジョットの隣に膝を突き、手をジョットの足に置く。
いつもとは様子の違うGに、ジョットは少し心配になってくる。

「お、おい、どうかしたのか?」

どこか違和感があるが、心臓があまりにも大騒ぎするせいで何がおかしいのか分からない。
俯いていたGが急に顔を上げた。

「な・・っ」

最近はめったに見なくなった満面の笑顔を浮かべるGに頬が熱くなる。
足に置いた手に力を込めて、ジョットの右膝の上に座って首に腕を回した。

「書類作業お疲れ様ですボス」

使われたことのないGの敬語に、羞恥となんともいえない感情が渦巻いて混乱する。

「G!?どうしたんだ!?」

首に回した手を外し、右手の人差し指がジョットの顎をくい、と持ち上げる。
ぺろりと唇を舐める舌と妖艶な笑みに釘付けになってしまう。

「いつもと違う口調はドキっとすると聞いたものですから。俺はかわいいですかボス?」

上目遣いに頬を染めて見上げるGに喉がごくりと音を鳴らす。
こくこくと首を立てに振ると、かくんと頭を肩に乗せる。
思わずその細い腰を抱き寄せた。
そのとき。

「ジョット、この書類・・・」

軽いノックと共に開かれた扉から紙を持ったGが入ってきた。
言いながら顔を上げたGは、ジョットの膝の上に座り、もたれるようにしなだれかかるスペード。
そして赤面しながら腰に手を回すジョットを目にした。

「あ、まずいですね」
「どうし・・・あれ?Gがもう一人」

デレデレとしながら頭をかくジョットに腹立たしくなり、重要書類をぐしゃりと握りつぶす。
妙にムカついて、そのせいで顔に血がのぼる。

「あれ、まさかお前・・・」

膝の上に座るスペードに目をやるジョット。
Gはムカつきに身をまかせ、扉のすぐ横に置いてあったツボを右手で掴む。
大きく振りかぶって、ジョットの頭に向かって投げつけた。
バリーンという派手な音が響き、中に入っていた水でジョットがびしょぬれになる。

「っ、死ね!」

バーン!と大きな音を立てて扉が閉じられる。
その風圧を扉の正反対のジョットまで届けた。

「お、おいG!待ってくれ!違う、勘違いだ!」

机を飛び越えて扉を破壊してGを追いかけていった。
色々壊されたあとのある部屋でスペードは感の鋭いジョットを騙すために集中させた幻術を解いた。

「ちっ・・邪魔が入らなければあと少しでジョットの既成事実が・・・」

指を鳴らす仕草をするが、手袋のせいでかすれた音しか鳴らなかった。
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