REBORN!

□ある雨の日
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「なんだこれ?」

Gは小さなパフェを見ながら、目の前でエスプレッソを飲む幼馴染に聞いた。
可愛らしいデコレーションのされたお菓子はいかにも甘そうだ。

「パフェだ」
「なんのつもりだって聞いてるんだよ」

Gが甘いものをそれほど好まないことくらいジョットは分かっているはずだ。
アイスに生クリームにチョコレート。
別々ならともかく、全部まとめられるとなんともいえない。

「せっかくだからな、現代の菓子を楽しむのも悪くないと思ったんだ」

そう言いながら自分はエスプレッソ。
だったらお前も食えよと思いながらも、残すというのも・・・。

「ったく・・・」

冷気を放つアイスを一口食べる。
うん、まぁ美味しい。
上に乗っているミカンをぱく、と食べて前を見ると、ジョットがじっと見ていた。
そういえばこいつは甘いものが比較的好きだったな。

「ん」

生クリームはそのまま食べるには甘すぎる。
ので、一杯掬ってジョットに差し出した。
すると反射的にそのままぱくりと食べてしまった。

「んお、美味い」

Gはまたアイスを一口だけ食べた。
確かに菓子の技術は昔よりも格段に進歩しているらしい。
日本と言えばGもジョットも和菓子しか印象がなかったからなおさら感心した。
まだまだ大量に残る生クリームをスプーンで掬ってまたジョットに差し出す。
素直に食べる。
なんだか周りが静か過ぎる気がするが、そんなことを気にするやつではなかった。

「奈々からもらった金はまだ少しあるし、このあと日本観光でもするか」

生クリームをGの手から食べながら窓の外を眺めた。
観光とは言っても並盛には観光地はない。
だがまぁ、店をまわるだけでも時代の変化が楽しめて面白いかもしれない。

「ジョット」

人並みを眺めていたジョットにチョコレートを差し出す。
それをまた素直に食べた。
と、今度は周りが騒がしくなってきた。
ちらりと目線を投げると、店内の過半数がこちらを見ている。
外人が珍しいのか?
いや、今時日本にはうようよいるだろうし、原人じゃないんだからそれくらいで注目されないだろう。
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