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「男子高校生は語る in MAJI burger」
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「青峰君はどうなんですか?」


「んだよ」


ようやく緑間が黄瀬ののろけを止めたと思ったら、テツがオレに矛先を向けてきやがった。




「このあいだ、女の子と一緒に歩いてるの見ましたけど」
桃井さんじゃありませんでした。




ドコで見てたんだ!?




「青峰っち、彼女できたんスか?」


「うるせーよ!」


こいつ、自分の話んときは目ぇキラキラさせてたくせに、他人の話はおざなりじゃねーか!


教えるかよ。




「黄瀬くんの彼女より、大きかったですよ」


うるせー、黙れ。


「胸が」


テツ、てめっ...!


きっと睨んだら、目を逸らされた。




「ちげーよ、あれはただの...」


「先週の土曜日」


マジか、テツ...。


同じクラスの、と続けようとした語尾に被せて、黄瀬に語りかけるテツ。


「ボクがどこで青峰君たちを見たと思いますか?」


「ドコっスか?」


テツ、お前...アレを見たのか?
あそこで、オレたちを...。




「ボクの口からは言えませんけど」
ただのクラスメイトと一緒に行くところじゃなかったです。




それ、殆ど正解じゃねーか!




「何スか、青峰っちだってヤることヤッてんじゃないっスかー」


ストローを弄びながらの黄瀬のドヤ顔がムカつく...。


「それ、桃っち知ってるんスか?報告した方がいいっスよ。心配してるから」


「なんでさつきに言わなきゃいけねーんだよ!!」


「だって幼馴染っしょ?」


「カンケーねーよ!」


くそ、テツのヤツ、後つけてたんじゃねーのか?
全然気付かなかったぜ...。




「で、どんな子なんスか?」
クラスメイトってことは分かったっスけど。


「黒髪で、かわいい子でしたよ」


なんでテツが答えてんだ?


「こう、青峰君が肩に手を置いて...」


黄瀬の反対側に架空の彼女を見立てて、手を置くしぐさをするテツ。
それに、興味深く耳を傾ける黄瀬。




「ふたりで、ラブ...」


「あーっ!!うるせーうるせーうるせー」




言わせるか、その単語!
テツにバラされるくらいなら、オレが話す。


言えないです、とか言って、普通にバラしてんじゃねーよ!




「いーじゃねーか!家だとさつきがいつ来るか分かんねーし」


「桃っちに見られたらマズイこと、してたんスか?」


「別にいーだろ、めんどくせーな」


開き直れば、余計に食いつく黄瀬。
コイツ、モデルとか言ってるけど、ただのエロじゃねーか。




「そんな青峰っちに、いいものあげるっスよ」


「あ?」


黄瀬が取り出したのは、スマホ。
適当に画面を弄った直後、ポケットに突っ込んだケータイが震えた。




ん?メール?
誰からかと思えば、黄瀬じゃねーか。


何この距離でメールとか回りくどいことしてんだよ。




と思いつつ、開封すると出てきたURL。




「それ、オススメのラブホっスよ」


「あ?」


「安いしキレーだし、彼女も気に入るっスよ」




   気が利くじゃねーか。




「いろいろオプションも...」


黄瀬の説明に耳を傾けて、ふむふむと頷く。




「てめっ...それ、マジかよ!?」


「マジっス!ね、すごいでしょ?」


「それは...」


「そう見えないところが、ココのいいところなんスよ」




さすがモデルじゃねーか。
こういう情報は慣れたもん、ってことか。


バスケ以外でお前のこと、初めてすげーって思ったわ。




「で、そのオプショ...っ!?」


「聞くに堪えないのだよ」




もっと聞き出そうとしたところで、今度はオレに緑間から制裁。
口の中に放り込まれたチーズバーカーによって、それ以上の情報収集は困難になった。


やっぱ、こいつとは合わねーわ。
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