+ THE BASKETBALL WHICH KUROKO PLAYS +

「男子高校生は語る in MAJI burger」
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ず、とバニラシェイクがストローをのぼっていく。
その音が響くくらいに、4人は沈黙していた。




つーか、何なんスか。
青峰っちはつまんなそうだし、緑間っちはふて腐れてるし。


黒子っちは無表情でシェイク飲んでるし。




「そういえば...」


ココはオレが話すしかないっスね、と切ろうとした口火を、隣の黒子っちに奪われた。


「何スか!?」


「黄瀬くん、このあいだメール送ってくれましたよね?」


「メール?」


「はい。イヤミな報告メールです」


イヤミって...ひどいっス。




「あれから、うまく行ってるんですか?」
別に報告してくれなくてもいいですけど。


「そりゃ、行ってるっスよ!」


「そうですか」




それだけっ!?
また沈黙が...と思いきや、意外にも青峰っちが興味を持った。


「んだよ、うまく行くとか行かねーとか」


「黄瀬君、新しい彼女が出来たんですよ」


オレの代わりに、黒子っちが発表する。
冷ややかな声っスねー。




「んだよ、聞いてねぇ」


「いやー今度会ったときに言うつもりだったんスよ」


「誰だよ」


「海常バスケ部のマネージャーさんですよ」


それも、黒子っちが発表する。




青峰っちの眠たそうな目が浮遊して、かっと見開かれた。




「マジかよ!お前、海常マネっつったら...」


「何スか、いきなり...」


「あのFカップだろ?」


Fカップって!!胸の話っスか?
なんで青峰っちが、彼女の胸のサイズ知ってんスか?


オレだって、数日前に知ったばっかりなんスよ。




「試合のときに見かけたんじゃないですか?」


「そーだよ。あの巨乳マネが黄瀬の彼女かよ...」


「巨乳マネとか...止めてくんないっスか?」
どっちかっていうと美乳なんスよ。


まざまざと思い出すあのときの感触。
今までで一番よかったんスよねー。




「マジ、ムカつくな」


「ムカつきますね」


「ニヤけてんじゃねーよ!」




テリヤキバーガーが入っていた空箱を投げつけられた。




「で、どーだったんだ?揉んだのか?揉んだんだろ?」


すげー食いつきっスね、青峰っち。
答えに惑っていると、隣からも責め立てられた。


「どうなんですか?黄瀬君」


「...いや、あの揉んだっスけど」


こう、後ろから...両手で。
手が自然と動きを再現する。




「そこまでやれとは言ってねーよ!」




テーブルに乗り出していたからだを背もたれに倒し、やってらんねーと窓の外を見る青峰っち。


でも、話し出したら止まらないっスよ。
最後までのろけさせてもらうっス!




「めっちゃかわいいんスよ。腕の中でびくって震えたときは、オレ感激したっス」


「バカか」


「バカですね」


「ちっちゃいから、すっぽり収まっちゃうんスよ。そうなったらもうオレの思うままっスよ!」


「死ね」


「死んでください」


「目がとろーんって潤んできて、唇震わせて名前呼ばれたときは、マジで...」




りょぅたぁって、甘えた声でねだられたことを思い出す。
あーっ!今すぐ抱きたいっス!!




「それに、オレが初めての相手っ...んがっ!?」


「聞くに堪えないのだよ」




正面から突然口に突っ込まれたチーズバーガーの妨害で、続きは話せなくなった。


いいとこだったのに。




何なんスか、緑間っち。
興味ないって顔して、ちゃーんと聞いてるんじゃないっスか。


むっつりっスか?




仕方なく、もぐもぐとチーズバーガーを租借し終えた頃には、もう別の話題に移っていた。
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