版権小説

□住み良い環境設定
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「新鮮なお魚美味しいよ?」

「腹が減ったのなら食料庫にある魚全部食べてこい」
食料はいつでも豊富にある。新鮮かどうかは別として食料難に陥った事はない。

「稽古とか組手とか運動したいです」

「そうか。じゃあ稽古場にでも行ってこい」
潜水艦の中は中々広く、運動不足解消の為に設計された稽古場なるものがある。
普段は船員たちの溜り場となっていたり、宴会の場としても使用している。

船員たちに呼び止められながらも歩き続け自室へと辿り着いた。
それでも船員たちは口々に呼び止めるのだ。
よっぽど陽の光をあびたいようだ。振り返ると船員たちの悲しい顔が目につく。

「……」
本来なら海上に上がるなんて真似は良くないのだ。あまり俺たち、ハートの海賊団の姿を見せる事は良くないのだ…。

隠密の行動が多い分、姿を見られるのは避けたい。自慢じゃないがハートの海賊団は、あまり戦闘能力が高くない。裏で動く、つまり頭脳的・技術的には腕が良い奴ばかりだが戦闘面ではあまり役に立たない。

分かってはいるが…
海底に潜ってから早数週間。もうすぐで1ヶ月程。

「少しだけだ…」
船員たちに少しばかりに同情を覚えてしまった。理由をつけてまで外の空気に触れたいのだろう。
十分に気をつけていれば構わないと、付け加え部屋に戻った。
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