ペルソナ3

□ただ、
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「垣先輩ー、私も手伝いますよ」
「だから俺は荒垣だ、それにてめぇはテスト勉しろ」
「勉強は夜やるからいいんです」

私がそう言って荒垣先輩の横に並ぶと、とか言って結局寝るんだろと溜め息を吐きながら荒垣先輩はクッキーを私の口に押し込んだ。甘いチョコレートとサクサクした感じが口の中に広がる。

「んー、甘うま!流石先輩!!」
「ほらやったからさっさと部屋に戻れ」

オーブンが甘い香りの源だったのだろう、荒垣先輩が開けたらクッキーの香りがキッチンを包み込んだ。つまみ食いをすればぺちんと頭を平手で先輩に叩かれる。てめぇの為に焼いたんじゃねぇ、勉強してる奴等だけに、だ。
焼けたクッキーを皿に乗せてる荒垣先輩の横顔は、なんと言うか。

「じゃ、今度は私だけの為に作って下さい」
「はいはい、んじゃ、勉強しろ」

ぶーぶー文句を言った私の背中をとん、と押した荒垣先輩。
違う、そんなんじゃなくて、私が言いたいのは、

「、私を料理して下さい」





不器用なだけ。
(……あ?)
(あ、いや、そんなつもりじゃ……)






Fin*



*ちょっとお馬鹿な女主人公と素敵な垣先輩←
もう鈍器で殴られてもヨロシ←←
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