ディスガイア

□れっつくっきんぐ!
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「うむ、なかなかの味付けじゃ」
「あのな、」


れっつくっきんぐ!


アデルの目の前にはぐつぐつと奇妙な音をたてている鍋があり、その鍋からは人間の食べ物では無いような色、その上酷い匂いを発している液体が泡を出しながら揺れていた。アデルが慌てて窓を開けると外で召喚中の壺が出している独特な匂いの煙も家内に侵入し、良くなる所か更に酷い匂いで充満する。
咳き込んだアデルは稍涙目で、お前以外は人間なんだからその生肉チョコバーみたいなのは幾らなんでも食えねぇだろ、と鍋から目を逸らしながら言った。

「ちと作り過ぎたか」
「そう言う問題じゃないだろ」
「折角 余が作ったのじゃ。心して食べるが良い」

自信たっぷりに胸を張ったロザリンドを呆れた顔で眺めたアデルは、今の彼女と自分の会話は全く噛み合って無かったことに溜め息を吐いた。それと同時に召喚壺の方の窓から金髪の青年が顔を覗かせた。

「姫さまー、何か美味しそうな匂いがするんですけど」
「おお、流石ティンクじゃ。見る目があるの」

おたまでゆっくり鍋の液体を攫ったロザリンドは小皿に少し注ぎ、それをティンクに渡し、それをアデルは何か諦めた目で見つめた。

「美味い!美味しいですよ姫さま!」
「じゃろう」
「それにしてもアデルさん純潔の悪魔なのになんでこの匂い苦手なんでしょうかね」
「それは言わねぇ約束だろ」

人間だと思い込んで生きてきた奴のプライドじゃろう、ロザリンドはティンクにこっそり耳打ちした。
相変わらず台所には奇妙な匂いが漂っている。




Fin*

*1710キリリク ナナさま
アデロザなのか謎;
リクエストありがとでした!!

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