ペルソナ3

□そうして私は、
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ただいま、寮の玄関をくぐり脱いだスニーカーを左手で揃えた。ラウンジを見たら荒垣さんとコロマルが和気藹々としており、机には夕飯が1人分乗っていた。壁に掛かった時計は10時を指している。私は鳴るお腹を押さえてよろよろ階段に向かうと荒垣さんが声を掛けた。

「部屋でカップヌードル食うんじゃないだろうな」
「は、ははまさか」
「奴等のついでだ、ラップ取って食え」

と、コロマルの頭を撫でそれから机の上の夕飯を指差した。私は飛び付いてラップを取るとありがとうございますと一言、がつがつ水も飲まずに胃の中に収め始めた。

「なんつぅーか、肉食系だな」
「ふぉひそうひゃまへした」

私はごくり、と口の中のものを飲み込むともう一度ご馳走さまでした、と言って立ち上がった。コロマルが応える様にわうんと吠えた。空になった皿を運んだ荒垣さんにくっついてキッチンに向かい、私が洗いますと制して洗い場に向かった。ちょうど私の後ろに荒垣さんがいる様な具合で並んだのだが、暫くして荒垣さんが口を開いた。

「お前、太ったか……?」

ぎくり、と身を拒ませた私に容赦無く次々と荒垣さんの言葉が刺さる。夜にカップヌードル食うからだ、早く寝ないからだ、帰りにいつも寄り道して食ってるからだ。

「やっぱ太りましたよね」

私は少し涙目になって荒垣さんの顔を覗き込むと、荒垣さんは不自然に目を逸らし、ポケットに手を突っ込んだ。

「アキに分けてやりてぇぐらいだな」

またわうん、とコロマルが小さく吠えた。






結構太った。

(それ嫌味ですか)
(半々、だ)



Fin*
*違う意味で肉食系女子な自分

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