素敵小説

□きっと、言葉じゃなく
1ページ/4ページ


昼まであった授業も終わり、後は部活だけだ
私立だからか第5土曜日も午前中まで学校はある。中庭の極力目立たないベンチで昼飯を食べながら、ぼんやりとする

普通なら教室で食べるけど今日は1匹うるさいやつがいて思わず逃げたのだ
誕生日を祝われるのは嬉しいけど、5分休憩ごとにおめでとうございますとかなんか奢りますよとかわざわざ教室まで言いに来られたら悪いけれど少し鬱陶しい(しかもプレゼントはもう高そうな財布を貰ったっつうのに。
だからこうしてこそこそと中庭で食堂のパンを食べることに

このベンチはちょうど渡り廊下と図書室の角にある。茂みにほぼ隠れてるし、なんでこんなとこに、とか思ってたけどまさか俺が利用する事になるなんて。しかも意外に居心地がいい。気温は少し涼しいくらいで暑がりの俺にはちょうどいいしでだんだんと眠くなる
部活まであとどのくらいだろうか

なんとはなしに右側にある図書館の窓に目を向ける。こっから中の時計見えたっけ?
と、時計を見つけるより先に生意気な後輩の姿が目に入った
何を読んでいるのかは分からないけど姿勢はいつも通りまっすぐなままで少し顔を伏せ気味に。


あぁ、きれいだな

ただぼーっと日吉を眺めてた



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ