企画
□何がどうなったんだ?
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これはいつかの喫茶店での出来事である。
「俺の誕生日まるっきり無視しただろ!!」
シン・アスカがハイネ・ヴェステンフルスに向かって叫ぶ。二人は珈琲が売りの喫茶店にいる。そして、二人のそれぞれの前には飲みかけの珈琲がある。二人ともブラックで飲んでいるようだ。
「そうだっけ?というかお前誕生日いつなんだ?」
ハイネが適当に言う。
「9月1日ですよ!!どうして、隊長のは知ってるのに俺のは知らないんですか!!」
くってかかるシン。
「ああ、あいつは一部では有名だからザフトに長年いれば簡単にわかるって。アスランの誕生日祝わないのか?」
けろっとした感じで返す。あまりにも反論………いや、くってかかるのでアスランの誕生日企画に反対なのかと心配になってきたハイネ。
「祝いますよ!!ただどうして知っているのか不思議だったんです。」
ぶすっとした顔のシン。
「そうか。さて、どうやって祝うかだな。どうせ本人は忘れているだろうし、結構おかしなことをしても怒らないだろうし。」
楽しそうなハイネ。
「おかしなことってどんな…………」
(危険な感じがする………………)
「上からケーキが落ちてくるとか、べたにいくならたらいが落ちてくるとか、落とし穴にはめるとか。」
いたって真面目に言う。
「そんなことしたら、誕生日の意味ないじゃないですか!!誕生日って相手が喜ぶことをするのが普通じゃないんですか!?それに、いまどきそんな初歩的な罠にかかるような人いるんですか!?」
ここは喫茶店なのに大声でつっこむ。
他のお客、兵士が迷惑しているようだ。
「おい、そんな大きな声を出したら迷惑だろうが。静かに静かに。こうゆうのはな、初歩的な罠だからこそ引っかかるもんだぞ。誕生日はこっちが楽しいんだからいいんじゃないか?どうせ忘れてるんだし。それに、個人的に見たいっていう願望もある。シン、アスランが引っかかるなんてそんなレアなものを見れるなんて、もう二度とないかも知れないんだぞ。」
「いいんですかそんなんで。」
(確かに隊長が引っかかるなんてもう二度と見れない感じがするけど。)
シンも見てみたいのであえて反論しない。
「いいんだそんなんで。よし、当日影で、その様子をカメラに収めよう。」
一人納得するハイネ。
「そんなことしていいんですか?フィルム盗られると思いますよ。」
もっともなことを言うシン。
「それはノリでなんとかなる。」
適当だ。
「そうですか。ならいいですけど。」
「よし、誕生日当日に実行しよう。」
「わかりました。」
二人は楽しげに、かつ怪しげな笑みを浮かべながら、喫茶店を出た。