企画

□披露会5
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世間的にはクリスマスとは家族で過ごしたり、ケーキを食べたりとする楽しい時間だが、ハロのクリスマスは違う。
 毎年、行われるハロ限定のクリスマス披露会が開かれている。その披露会は……ハロ(丸い球体)のクリスマスは世界にいるハロ達が世界の果てに集まり、一年間の成果を披露し、審査員が評価するという披露宴――言わば一年の成果を発表をする大事な発表会。もし、この披露宴を連絡もせずにすっぽかしをするとハロの権利を略奪されるという恐ろしい事態になる。

その披露会の景品なのだが、どのように作られているのか…………

「はー。来年はどうするか」

図面を見つつため息をもらす隊長ハロビット。

クリスマスの披露会で見事、トップになったものには景品が贈られる。毎年、毎年、景品は市販のお菓子やラジコン、米一年分等でいいのではないか、という意見が出るが、毎年、毎年却下される。
理由は会長…………の一言。

「そんなのでは、やる気が出るか馬鹿者!この世界に逸品しかない貴重なものでなければ、ふさわしくない!市販の等、いつでも手に入るではないか!グダグダになる披露会等、わしは認めん!」

と、うるさい…………いや、ありがたい言葉を頂いたからだ。
まあ、ぶっちゃけ面倒…………いや、何でもありません。

「どーする?隊長!」
「整備はいつでもオッケーだ!」
「道具は?」
「図面はできたか?」

部下のハロビットが隊長の元に集まる。

「おー、お前ら。図面ができてない」
「なら、格好いいのにしよう!」
「可愛いの!」
「適当に、くっつける」
「豪華みたいにする!」

わー、わーと騒ぐ。

「お前ら、落ち着け」

「アターック」
「接合!」
「分解!」
「合成!」

「こらー!勝手に作るなああああああ!」

わー、わー、とかなり適当に部品をくっつけはじめる。

「大丈夫だ、飛べるのにする」
「大丈夫、格好いい」
「大丈夫、成功だ!」
「大丈夫。ペイントは任せろ」

勝手に…………飛行できるモビルアーマーにするらしい。
勝手に作り初め…………そこそこな形にかり、性能もやくなりそうだし、考えるの面倒だし。お金はハロに請求すれば、いい。

もう、丸投げしたハロビット隊長。

出来たのは…………

「まあ、いいか。こんなんで」

戦闘機のようなスリムなモビルアーマー、変形するとモビルスーツ、後ろの緑の翼がファンネル、ビーム兵器、手足のギミックはゴツゴツして太い。装甲は厚くサーベルは大剣。
色はピンクを、貴重。目立つ。
大剣は艶々した漆黒。
まあ、端から見れば可愛さとゴツゴツしたのでアンバランスで変。だが、ハロビット達は気にしない。
予算オーバーなのも気にしない。


後日

ハロの元にハロビット隊長は造るまでにかかった物をまとめたリストを提出した。

「これは経費でお願いします。満足のいくできです」

紙をおいてさっさと部屋を後にする。

「うむ。ご苦労」

値段を覗き見たら…………

「な、何!?
こ、これは…………
う、嘘ではないのか…………」

バタンと値段を見て気絶しましたとさ。



おしまい!←





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