デジモン
□深淵
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小さな呻き声を上げて、俺は目覚めた。
ぼんやりとする頭を無理やり覚醒させながら、自身の置かれた状況を把握しようと勤める。
腕を動かそうとすると、ジャラジャラと金属が重なる音が響く、よくよく見てみれば四肢を拘束されていた。
覚醒しときた頭で、最後に何があったのかを思い出す。
あぁそうだ。あの時、俺は戦いに負けたのではなかったか。
だとしたら、ここはダークエリアか。
ダークエリアで早速、束縛とは。
随分と手荒い歓迎だ、自然と笑いが込み上げてくる。
笑えない話なのだが。
ぐっ…と体に力を込める。
肉体を隆起させ、引きちぎろうともがくが、枷は思った以上に頑丈だ、びくともしない。
小さくため息が、牢獄に響いた。
する事もないし、何かしようにもどうにも出来ない。
俺は事の変化が起きるまで、寝る事にした。