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□頂き物
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眉月と寒月

・当サイトの三萬打記念に壱矢様から頂きました。
・当サイトの伊達政宗(in成代主)&壱矢様の三成・刑部成り代わり姉妹主とのコラボ作品です。






「Hey石田ァ。元気にしてたか?」

にこやか、というには少しアクの強いニヤリとした笑みで男が話し掛けてきた。

「…む、貴様は………………あー…」
「テメッまた俺の名前を忘れやがったな!」

いや、見覚えはあるんだよ?知り合いってのは分かるんだけど名前が出てこな……あっ!

「失礼だな覚えている。…千里だろ」
「そうだけど違いますよねえっ!?」

はーはっはぁっ!呼び名なんて本人が分かればよかろうなのだァァァ。

「んで、片倉はどうした」

いつもセットでお得なのに。見当たらないと何が起 こったかと不安になるぞ。

「Ah…向こうで竹中の野郎に「君の力をぜひ豊臣で活かさないか」って口説かれてる。ま、小十郎はずっと俺の背中について来てくれると信じてるから…俺は何も言いはしねェがな」
「はいはい、ご馳走さまー」
「オイ、そりゃどういう意味だ」

えーと麗しい主従関係ですねー、て事で。
他意はないよ、いやいや本当に……私としてはあって もいいんだけど。
ジトッと睨んでくる目をどうにかしたいな…。

「ところで!」
「Shit!話変えやがった」
「貴様はいつまでその気色の悪い話し方を続ける」

お、無理やりだったがこれはナイスな話題転換じゃな かろうか。
実際気になっていたからな。
同じ転生仲間として素を知ってる私からしてみれば、この癪に障るような喋り方は違和感、ゾッとする、キショい!だって作りものの顔を見せられてるみたいなもんじゃない?

「Um…ここは人の目がありすぎるからな、悪ぃがしばらく我慢してろ」
「…むう」

だからと言ってコイツにもイロイロあるからな、強制は出来ないか。せいぜい私に出来る事といったら唸るくらいが関の山だ。
こうなったらさっさと人目のない刑部の部屋にでも連れて行こう。 と、ここでようやく私がここにいる意味を思い出した。
そもそも私この男の案内に来たんだった…!

「三成、ぬしは客人を迎えに行くのに何刻掛ける気か。これでは我に苔むすワァ」

結構ここで話し込んでしまっていたのだろう、待ちくたびれたか刑部が杖を突きながら来てしまった。足が悪いのに輿を使わずふらふら出歩きやがって。
睨んだらぷいっと視線を逸らされた。逸れた視線はそのまま伊達男へと向く。

「独眼竜よ、ぬしは変わりなきよう…」
「まァな…大谷…アンタは息災か?」
「見ての通りよ、良くはない…悪くもないがナ」
「Ha!そんだけ言えりゃ上等だ」

私そっちのけでにこやか(?)に挨拶を交わす二人。
む、む…何だか面白くない。

「…む、むむ………刑部ッ早く行くぞッ!」
「そもそもぬしが早に来ればよかった話だがナ」
「フン!」

煩いな、それは言いっこなしだ。 あと千里「Jealousyだな」とか言うんじゃない。全くの見当違いなんだからニヤニヤすな!

「刑部!」

早く早くと急かしていたら、

「あいあい、分かっ…!」

飛び石に蹴躓いた刑部。

「ッ!無事か刑部ッ!」

間一髪、なんとか顔面強打する前に受け止められた。
あっぶな…!足元に気を付けろォッ!…いや、私のせいか、私が刑部に無理させたから。

「ヤレ…ちと足が怠けおった」
「肩でも貸すかァ?」

すまない、なんて私は謝れないから、だから、

「…この方が早い」

千里が手を伸ばすより先に抱き上げる。

「う、わっ…落としてくれるなよ」
「誰が落とすかばかたれ……絶対に離さない」

慌てて私の首に縋りつく刑部からは薬の匂いがした。
あ…心がぽかぽかする、何ぞや。

「Phew…お熱いこって」

…?何がだ?
口笛吹いてにやける千里が何を考えているかさっぱりだ。
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