空似の二人[♀と♂]
□[6]女の戦い
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勇とラリーをする内に沙耶香は素人ならではの弱点を突くような打球を打った
牧「っ!(確かに良い打球を安定して打ってくる力もあって良い戦力になりそうね…でも、力だけじゃ、勝てないわよ!?)」
『っ!!…はあぁ!』
沙耶香はセンターラインから打った打球はネットを越して勇の陣地にポトリと落とすドロップを勇にお見舞いした
それを見て勇は素早く反応して即座にネットについて、掬い上げる様に打球を沙耶香の陣地に返した。
牧「っ!?おお!…(間に合った!?)」
『っ〜!…まだまだ…』
牧「(あれが始めたばかりの素人さん?…まじか!?…でも これはどうかな?)…はっ!」
『はい!』
牧「っ!?(嘘!?)」
と沙耶香は勇が打ち上げた打球を下がってスマッシュを打ち返した
が、勇はそのスマッシュの打球をボレーでサイドへ打ちポイントを得た
牧「っ〜!(葉月さんを甘く見ていたわ。まさかここまで出来るとか…うちの部員より既に上手いわね!)」
そんな悔しさ半分嬉しさ半分な沙耶香はその複雑な気持ちを抑えて再び勇へサーブを打った
牧「はっ!」
『っ!』
牧「ふっ!(まだ、集中して 隙がないわね。普段から鍛えてるだけあってあれくらいじゃ、体力もまだまだ余裕か…確実に私より体力あるじゃない!ん〜!仕方ない。こうなり 荒削りかも知れないけど、葉月さんの集中を絶たせてもらおうかしらね)…っ!」
と勇に返した打球を打たせて沙耶香は別に思い付いた作戦を早速実行に移した
『っは!』
牧「くっ!」
と沙耶香が左右に打ち分ける打球を勇に拾わせる為に左右に走らせて 無理に集中力を切らす作戦を決行した。
だがしかし、その作戦は思ってもみない結末になるとは誰も知らなかった
『…はあぁぁぁっ!!』
牧「っ!?」
散々、沙耶香は勇を左右に走らせてはいたが 途中、沙耶香の方がリズムを崩して沙耶香も走る羽目になり 沙耶香の体力は徐々に奪われていき終いには疲れて打ち上げてしまったボールをスマッシュで返されて勇に劇的勝利を贈ってしまった事になって沙耶香はしばし呆然と勇を見詰めた
牧「っ〜!…葉月さん強いなぁ 私の方がダメダメだった…はぁ…」
[3‐6]
winner 葉月勇
そんな訳で第二試合が終わった。