空似の二人[♀と♂]

□[4.5]カメラレンズに映るタンポポ娘
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それから勇が新入部員で入ったテニス部の第1日目が終わりを迎えようとしていた時だった。


ちょうど片付けが終わって加藤君と水野君と自分が部室前に戻った時


「やぁ。」


「あ!不二先輩!お疲れ様です!」と水野君。


『「お疲れ様です!」』と加藤君と自分が挨拶を続けた。


「ああ。お疲れ様…それで、葉月さん…少し君に話があるんだけど良いかな?」と不二先輩は爽やかに自分に向けて言った。


『?…はい!…』


「君って何か武術みたいな事してる?」


『…は、はい!…自分は5才の時から長い棒を使った棒術をしております…それが何か?…』


「クスッ。ああ!君に御願いがあってね。僕の前で一度、武術をしている君の姿をカメラで撮影したいんだけど、良いかな?」


『…ええ!?…なぜ?…』と自分は不二先輩の発言にポカンとした。


「なぜって、君の後ろ姿が綺麗で…思わずカメラで納めたいと思って…っね!(笑)」と不二先輩は楽しそうにホクホクした顔で自分に言った。


ねっ!(笑)って…


『…えっと、自分の後ろ姿…ですか?…』と自分は不二先輩に困惑中。


「うん!君は姿勢が良いし、程よく筋肉がついてて、立ち姿もとても綺麗なんだ(笑)」と不二先輩はキラキラ輝いて言った。


『……き…きれい?…(オメメパチクリ)』自分は未だに困惑中。


「うん。ダメぇ…かな?」と不二先輩。


『…ダメ、ではないですけど…自分は学校で棒を振るうつもりはないっす…』と自分はそう釘をさした。


学校で棒術を披露とか勘弁して下さい。恥ずかしい!


「そうなんだ…なぜ?」


『…それは、道場外での使用は結構シビアなんです…広い場所で尚且つ天井が高い所なら出来るんですが、面白半分や冗談半分で他人や入門者が棒を振り回して、怪我をされたりするのを防ぐために私的な使用は控えられてます…』と説明した。
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