空似の二人[♀と♂]

□[1]入学式
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時は4月の某日


とある家庭でもその日の朝は慌ただしく過ごしていた。


『母さん。どうかな……』


「さすが、私の子!うん。スッゴーイイケメンよ♪gj」


『…そう…』


「よし、着替えたら そろそろ学校に行く準備しなさい!」


『はい』


制服に袖を通した精悍で整った顔つきの子が母親の前に現れ、自分の姿を評されにきた


結果は普通通りの[イケメン]と評された。


制服を買って以降、これより着用する服を憂鬱な気持ちで見詰め、母親の称賛を複雑な気持ちで受け止めたこの無愛想な少年…



いや、少女はこの話の主人公の葉月勇


正真正銘の女の子だ。


この風貌により、少女は実の母親にすら男扱いをされる程見た目の女子力は0なのである。


胸は貧Ny…寧ろ少し筋肉質な身体をしているので、母親の見立てにより、中学生活で着る制服は男子用を購入された事実に新しい希望なんて抱くはずがなく、学校へ臨む勇の心境は戦地に向かう傭兵の様な「絶対生き抜いて帰る!」の気持ちを胸に学校へ行くために家を出たのだ。


男子用の制服に身を包む少女は目的地に向かうに連れて、同じ制服を着た男の子やセーラー服を着て楽しげに歩く女の子達を目にしては、新しい学校生活の恐怖でドキドキと胸が苦しくなった(動悸)。
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