Kekkaishi
□夜の玄関
1ページ/2ページ
「ねぇ」
「なに」
聞こえてますか?
貴方の耳に俺の声は届いていますか?
「…ねぇ」
「なに」
見えてますか?
貴方の瞳に俺はちゃんと映ってますか?
「……ねぇ」
「だから、なに」
必要ですか?
貴方に俺は…
「…何でもない」
「…あっそ」
胸に引っ掛かった違和感を取り除こうともがいても
「じゃ、行ってくるから…」
わかりきった答えを聞く勇気なんて持てないから
「気をつけてな」
「…うん」
結局俺は何時もと同じように、開けた扉を閉めるしかできないんだ
静かに閉められた扉
一人残された真実が口を開く
「お前が言わなきゃ俺は答えてやれないんだよ…良守」
おわり
→あとがき