短編
□君とその彼女
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「ほんと?」
「ホンマやで!つるの先輩、めっちゃカッコいいんやで!」
友達の美苑から聞いた話によると
吹奏楽部の部長をやっててなんでも楽器をできてカッコいいって評判の3年の先輩がいるらしい
まぁ、ユキはどうでもいいけど
次の授業、音楽か…
めんどくさいし
サボろうかな…
そう思ってたら
「おい、優樹菜
これ以上さぼっていたら単位ヤバいって先公が言ってたぞ」
……ちぇ、ずっとさぼってばっかりだったからな
行かねぇとな
音楽室に行ったら―
〜♪〜♪〜♪
「……ん?」
第2音楽室から聞こえてくるピアノの音
とてもきれいで透き通ってる音がしてなんだか心が晴れてくる
ドアの窓からチラッと見ると金髪でピアスをしてる男子生徒だ
男にしては細い身体、白い肌、深紅の瞳―
とてもカッコよくて、心に惹かれそうになってきた
そう思ってたら突然ピアノの音が止まってその男子生徒はユキの方に振り向いてた
「誰?」
「あ、えっと…その…」
「あれ?君はたしか木下優樹菜ちゃん?」
「え?」
ユキが戸惑ってたら、その男子はユキの名前を言った
「なんで…ユキの名前…」
「一年にヤンキーで生意気な女子がいるって雄輔から聞いたんだ」
あ、あいつ…ユキの悪口言いやがって…
次、会ったらただじゃおかないんだから!
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